【ITパスポート試験】特徴や難易度は?取得するメリット・デメリット

IT資格 ITパスポート試験の特徴 取得するメリット・デメリット

ITパスポート試験は、IT分野の基礎知識を理解できているかを確認する国家試験です。比較的難易度が低いため、IT未経験者が最初に受ける試験に適しています。

ITパスポート試験は、ITスキルを向上させたい大学生や社会人など幅広い人におすすめの資格です。事務職や営業、技術営業などでも実務やキャリアアップ、転職などでも役に立つシーンは多いでしょう。

この記事では、ITパスポート試験の難易度やメリット・デメリットを解説しています。ITパスポートの受験を検討している方は、最後まで読んでみてください。

目次

ITパスポート試験とは?

ITパスポート試験 トップページ
ITパスポート試験 トップページ

ITパスポート試験は、ITに関する基礎的な知識を理解できているかを確認する試験です。IT系で唯一の国家資格である、「情報処理技術者試験」のうちのひとつです。

ITパスポート試験難易度

ITパスポート試験は、IT未経験者でも比較的受かりやすい資格であるといわれています。

情報処理技術者試験は難易度に合わせて12のレベルがあり、ITパスポートはレベル1に該当します。IT分野の未経験者が、最初に取得する資格として適している試験です。

情報処理技術者試験 ITパスポートの位置付け
試験区分 IPA 独立行政法人 情報処理推進機構より引用

ITパスポート試験の合格率

ITパスポート試験の合格率は、約50%です。過去5年のITパスポート試験の受験者数や合格者数、合格率は以下の通りです。

受験者数合格者数合格率
平成29年度84,23542,432人50.4%
平成30年度95,187人49,221人51.7%
令和元年度103,812人56,323人54.3%
令和2年度131,788人77,512人58.8%
令和3年度211,145人111,241人52.7%

参考:ITパスポート試験 公式サイト 2022年9月時点

他の試験との違い
ITパスポート試験とよく比較される試験に、基本情報技術者試験があります。ITパスポートはIT技術者に関わらずすべての会社員に向けて行われる試験です。
一方、基本情報技術者試験はIT技術者のための試験です。基本情報技術者はシステムエンジニアとして新卒入社した人が初めに取得を目指すことが多い試験です。
また、MOSなどマイクロソフト社が認定する資格も有名ですが、MOSは民間資格です。たとえばMOSは、ExcelやWord、Power Pointなどの特定のソフトウェアに関する試験です。ITパスポートはIT分野全般のスキルを確認する試験であるため、MOSとは試験領域が異なります。

ITパスポート試験はこんな人におすすめ

ITパスポート試験は、ITスキルを向上させたい大学生や社会人など幅広い人におすすめの資格です。

ITパスポートは、技術者向けの試験というわけではないので、事務職や営業、技術営業など、他の職種でも試験内容を勉強することでITスキルの底上げと転職などでも役に立つ場合があります。

  • ITの基礎知識を学びたい大学生や社会人
  • ITに強い事務職や営業になりたい人・転職したい人
  • これからIT業界の企業に就職・転職したい人

ITパスポート試験を受けるメリット

ITパスポート試験を受けると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、3つのメリットを紹介します。

ITの基礎知識が身に付く

ITパスポート試験は、ITの基礎知識を習得できる試験です。また、IT技術のみならず、マネジメントなど会社経営に欠かせない知識を確認する試験でもあります。

エンジニアを目指している方はもちろん、営業職や事務職の方にも役立つ内容になっています。

転職や就職で有利になる

事務職や営業職などで転職する場合にITパスポートを取得していれば、採用から「基本的なITスキルを持っている人だな」と付加価値を感じてもらえることもあるかと思います。

また、新卒や第二新卒などの今後のポテンシャルを重要視して採用する場合においては、ITの基礎を身に付けた実績としてITパスポートの資格をアピールできる企業もあります。

また、ITパスポートは多くの会社で取得を推奨されている資格でもあるので、キャリアアップにもつながります。

上位資格取得の第一歩になる

情報処理技術者試験には「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」など、さらに難易度の高い試験があります。

いきなり難易度の高い資格を受験しても難しいですが、比較的簡単である分IT初心者がIT系の上位資格を獲得するうえでの第一歩として、ITパスポートは最適な資格といえるでしょう。

ITパスポート試験を受けるデメリット

ITパスポート試験を受けるうえでデメリットはありません。しかし、一方で「ITパスポート試験は意味がない」という意見もあります。その理由は、技術者向けの試験ではないことと資格が比較的簡単であることが挙げられます。

IT技術者としての転職活動では有利にならないことが多い

IT技術者としての転職活動では有利にならないことが多いのが現状です。システムエンジニアやプログラマーなど技術職として転職する際に、ITパスポートの資格を保有しても、あまり武器にならないかもしれません。

IT技術者向けの転職において、ITパスポートの資格取得を頑張ったと面接でアピールしても、「ITスキルがある」と証明するには足りないと思われるでしょう。あくまでIT初心者が最初の足がかりとして取得する位置付けの資格です。

しかし、事務職や営業職などで転職する場合にITパスポートを取得していれば、採用から「ITスキルを持っている事務・営業だな」と付加価値を感じてもらえることは十分ありますので強みになります。

また、新卒や第二新卒などの今後のポテンシャルを重要視して採用する場合においては、ITの基礎を身に付けた実績としてITパスポートの資格をアピールできる企業もあります。

合格率が高いため希少性が低い

ITパスポートは合格率が50%と高く、IT初心者にとって受けやすい試験です。言いかえれば、「多くの人が勉強さえすれば獲得できる資格」でもあり、希少性が低いという側面があります。

ITパスポートの資格取得そのものを転職活動の武器にするのではなく、あくまでも「IT分野の勉強の導入として活用したもの」くらいに思っておくのがよいでしょう。

ITパスポートの試験内容

ITパスポートは、パソコンを利用したCBT形式で受験します。試験時間は120分で4つの選択肢の中からひとつ選ぶ形式です。

全部で100問あり、内訳は以下のようになっています。

 ストラテジ系(経営全般):35問程度
 マネジメント系(IT管理):20問程度
 テクノロジ系(IT技術):45問程度

ITパスポート試験の受験情報

ITパスポート試験を受けるうえでの受験情報は、以下の通りです。

試験日

試験日は都道府県や会場によって異なりますが、全国で行われています。自分の予定が合う日や近い会場を選べるため、日程の調整もしやすいでしょう。

会場や試験日は、ITパスポート試験公式サイトで確認できます。

受験料

受験料は7,500円(消費税込み、2022年10月時点)です。支払方法はクレジットカード・コンビニ支払い・バウチャーのいずれかを選択できます。

申込方法

試験の申込は、ITパスポート試験公式サイトから行ってください。事前に利用者IDを登録しておく必要がありますので、利用者IDを登録して画面の指示に沿って申し込みましょう。

ITパスポート試験の合格基準

ITパスポート試験は1,000点満点で、以下の3分野に分かれています。

  • ストラテジ系
  • マネジメント系 
  • テクノロジ系  

ITパスポート試験に合格するためには、各3つの分野すべてで300点以上/1,000点取得したうえで、総合評価点で600点以上/1,000点を取得しなければなりません。

ITパスポート試験の合格基準
・総合評価点 600点以上/1,000点
・分野別評価点
  ストラテジ系 300点以上/1,000点 
  マネジメント系 300点以上/1,000点
  テクノロジ系 300点以上/1,000点

総合評価点が600点であったとしても、いずれかの分野が300点未満であれば不合格になります。 

ITパスポート試験の勉強方法

ITパスポート試験のおすすめの勉強方法は、参考書をざっくり読んだのち過去問を繰り返し解くことです。

参考書の中身をすみずみまで覚えていなくても、ザクっと概要を読んだのち問題を解きながら覚えていくと効率的です。

おすすめの参考書は下記の通り。年度が最新であること、Amazonなどでレビュー数が多い・高評価なものを選ぶと良いでしょう。

IT知識のない人が、ITパスポート試験の合格に必要な勉強時間は、約180時間といわれています。IT関連の学校に通っている方や、IT系の仕事をしている方は、さらに短い勉強時間で合格を目指せるでしょう。

まとめ

ITパスポート試験は、IT分野の初心者でも受けやすい試験です。IT業界を目指す人の第一歩としてはもちろん、IT業界以外でも役立つ内容を学べます。

新卒でIT業界に勤めたい方は、ITの基礎知識を得たり、就職活動においてアピールしたりするためにITパスポートの取得を検討してみるとよいでしょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次