「未経験だけれどWebデザイナーに転職したい」「SI業界のシステムエンジニアだけれどWeb業界のディレクターに転職できるかな？」といったようにWeb制作業界に転職したい人は多くいます。
Web制作会社への転職を検討しているけれど、どんな職種があるのか向き不向きが気になる方もいるのではないでしょうか。今回は、Web制作会社・Web業界で働いてみたい・転職に興味があるという方向けに、5つの現場職種をいくつか紹介します。
今回ご紹介する職種名以外にも色々な呼び方や役割がありますが、多くの人は今回ご紹介する5つのどれかの現場職になることも多いですので参考にしてみてください。
Web業界に携わる5つの職種
Web制作会社の代表的な現場職として今回ご紹介する職種は下記の5つです。
■Web業界に携わる5つの職種
- Webディレクター
- Webデザイナー
- Webエンジニア
- Webマーケター
- Webライター
このほかにも、グラフィックデザイナーやイラストレーター、UI/UXデザイナーといったデザイン系の職種の方もいますしWebプランナー/プロデューサー、Webプログラマー、サーバーエンジニアなど細分化するといろいろな役割・呼び方の職種があります。ここでは主に上記の5つについてご紹介していきます。
1. Webデザイナー
1つ目は、Webデザイナーです。Web制作業界・Web業界というと真っ先の思い浮かぶのが「Webデザイナー」という人も多いと思います。
Webデザイナーは、ワイヤーフレームをもとにPhotoshopやIllustrator、Adobe XDやFigmaといったデザインツールを駆使してウェブサイトのデザインを作っていくお仕事になります。
サイト全体の配色や使用するフォントの選定、画像素材の選定はもちろん、ユーザー目線で求めている情報が見つかりやすいかといった点にも気を遣ってデザインを作っていく必要があります。
小さい規模の制作会社であればコーディング(HTML・CSS・JavaScript)もWebデザイナーが担当する場合も多いですし、分業化されている制作会社であればWebエンジニア(マークアップエンジニア)がコーディングを担当する場合もあります。いずれにしても、ある程度のコーディング（HTML・CSS）知識は基本的に必要です。
| 平均年収 | 約460万円 ※求人ボックスの数字を引用 |
| 必要なスキル | PhotoshopやIllustrator、Adobe XDやFigmaといったデザインツールの使い方 デザインセンス ユーザー目線での見やすさ、使いやすさに拘ったレイアウトのデザインスキル 基本的なコーディングスキル（HTML・CSS） など |
| 向いている人 | クリエイティブな方 デザインで顧客の力になりたい・貢献したい方 常に最新のウェブデザインの流行を追っている方 |
2. Webエンジニア(マークアップエンジニア)
2つ目は、Webエンジニア(マークアップエンジニア)です。ここでは、Webエンジニアと読んでいますが「マークアップエンジニア」「Webコーダー」「Webプログラマー」と呼ばれたりすることもあります。
Webエンジニアは、Webデザイナーが作成したデザインを、HTMLやCSS、JavaScriptといった言語を使って、実際にWeb上の画面を制作していくお仕事です。
デザイナーが作成したデザイナーを元に構築していくため、時にはデザイナーとコミュニケーションを取りながら構築をしていく必要があり、最近では顧客側で更新や修正ができるようにWordPressなどといったCMS構築ができるスキルも求められることが多いです。
小さいWeb制作会社であればWebデザイナーと役割兼任している場合もよくあります。
| 平均年収 | 約555万円 ※求人ボックスの数字を引用 |
| 必要なスキル | HTML / CSS / JavaScriptといったプログラミング言語 WordPressなどといったCMS構築に関する知識 など |
| 向いている人 | プログラミングが好きな人 最新のIT技術を学び続けることが好きな方 論理的思考が得意な方 など |
補足：フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニア
Webエンジニアは、「フロントエンドエンジニア」または「バックエンドエンジニア」と呼ばれる場合もあります。
フロントエンドエンジニアは、前述の通り、主にHTMLやCSS、JavaScriptといった言語を用いて静的なウェブサイト（更新、修正ができないサイト）のみを制作する人を指すことが多いです。
一方、バックエンドエンジニアは、PHPやJava、Pythonといったプログラミング言語を使って、ユーザー側では見えないサーバーサイドのシステム構築やデータベースの整備などを行うお仕事です。
例を挙げると、ウェブサイトにあるログイン機能やショッピング機能などは見た目の部分はフロントエンジニアが担当し、実際の仕組みはバックエンドエンジニアが担当するのが一般的です。
小規模なウェブ制作会社では前者の「フロントエンドエンジニア」のみが在籍していることもあり、どちらかというとWebエンジニア≒フロントエンドエンジニアという意味合いで使われることが多い印象です。
3. Webディレクター
3つ目は、Webディレクターです。
Webディレクターはお客様(クライアント)と打ち合わせしながら、どんなサイトにするのかニーズの汲み取りやコンセプト・サイト構成を決めたり、WebデザイナーやWebエンジニアと連携しつつプロジェクト完了までの進行役を担うお仕事になります。
サイトデザインを作っていく前のサイト構成案（ワイヤーフレーム）も一般的にWebディレクターが作成することが多く、小さな制作会社などでは営業もWebディレクターが兼業して行うことが多いため、オールマイティに何でもこなせる必要があります。
そのため、Webディレクターは、コミュニケーション能力やスケジュール管理能力はもちろん、「顧客側の要望が実現するためにどういった機能をつければ良いのか？」といった目処が立てられるよう、基本的なWeb制作知識も必要になります。
基本的に完全未経験からいきなりWebディレクターに就くことはあまりなく、Webデザイナーや技術営業など何かしらの近い職種からのジョブチェンジでWebディレクターになることが多いです。
| 平均年収 | 約500万円 ※求人ボックスの数字を引用 |
| 必要なスキル | コミュニケーション能力 スケジュール管理能力 マネジメント能力 基本的なWeb制作知識 など |
| 向いている人 | 顧客とコミュニケーションを取るのが好きな方 Webサイト・サービスを使って顧客の問題を解決することにやりがいを感じる方 など |
4. Webマーケター
4つ目は、Webマーケターです。
Webマーケターは、Google広告・SNS広告などのインターネット広告運用支援をはじめ、SEO(検索エンジン対策)やSNS運用支援などで顧客の売上に直接貢献するお仕事です。
そのため、Google広告などの広告運用はもちろん、Google AnalyticsやGoogle Search Consoleといった分析ツールなどを利用してアクセス数やユーザーの行動を解析し、検証・改善していく必要があります。
| 平均年収 | — |
| 必要なスキル | インターネット広告(Google広告・Yahoo広告・SNS広告)に関する知識 Google AnalyticsやGoogle Search Consoleといった数値分析ツールの使い方 データを元にサイト訪問者の行動を分析するスキル SEOに関する知識 SNS運用に関する知識 など |
| 向いている人 | データを元にユーザー行動の仮説が立てられる想像力豊かな方 ブログやSNSの運用が好きな方 など |
5. Webライター
5つ目は、Webライターです。
Webライターは、ウェブサイトやウェブメディア上に記事を執筆するお仕事です。
執筆した記事はGoogleなどの検索エンジン上に掲載されるため、より多くの方に読まれるようにするためには、検索結果で上位表示されるために必要なSEOの知識も求められます。
また、誤った情報を載せないために、情報を検索して精査する能力も重要。さらに、WordPressなどを使って記事を書くことも多いため、WordPressの投稿機能の使い方など基本操作に関する知識も必要です。
| 平均年収 | 約450万円 ※求人ボックスの数字を引用（ライター全体の平均年収） |
| 必要なスキル | 難しい内容でも分かりやすく説明できるライティング力 情報検索能力 SEOに関する知識 WordPressの操作方法に関する知識 など |
| 向いている人 | 文字を書くのが好きな方 文章で顧客に貢献したい方 顧客の事業など知らない分野でも興味を持って勉強できる方 など |
Web業界未経験でもチャレンジしやすい職種
ここまで5つの職種を紹介してきましたが、Webディレクター以外の職種は、20代前半であれば未経験からでも比較的転職しやすい傾向があります。
求人数的にもWebマーケッターを始めWebデザイナーやWebエンジニアも多くあります（相対的にWebライターは社員採用は少なめ）。
| 職種 | 向いている人 |
|---|---|
| Webデザイナー | クリエイティブが好きな人/デザインで顧客の力になりたい・貢献したい人 |
| Webエンジニア | プログラミングが好きな人/論理的思考が得意な人 |
| Webディレクター | 顧客とコミュニケーションが取りたい人/プロジェクト管理が好きな人 |
| Webマーケッター | 数値分析・仮説検証が好きな人/論理的思考が得意な人 |
| Webライター | 文章を書くのが好きな人/文章で顧客に貢献したい方 |
Web制作業界の人の声を聞くと、同じWeb制作系で勤める人でも「デザインは得意だけれどプログラミングにチャレンジしてみたら全く合わなかった」「プログラミングは好きだけれどデザインは答えがないので苦手・・」といったように向き不向きがかなりあります。
頭を使うポイントや気をつける箇所など全然違うという人も多いので、自分の性質に合った職種を選ぶことが重要です。
まとめ
まとめです。今回はWeb業界に携わる5個の職種・仕事を詳しく紹介しました。
Web業界の需要は昨今ますます高まり続けているため、「未経験からWeb業界に転職したいな」と考えている方も多いと思います。20代であれば未経験からの転職成功している人も多いです。
とはいえ、企業側からすると「早く戦力になって欲しい」「未経験でもある程度は勉強しておいて欲しい」といった企業は多いですので、なりたい職種が固まったら独学で勉強したり、スクールで勉強したりなどして企業のニーズに応えられるように頑張りましょう。
なお、Web業界に転職したいという方は、転職エージェントを利用してみるとよいでしょう。
一口に転職エージェントと言っても、20代・IT未経験か、IT経験者か、30代以降かで選択するべき転職エージェントは変わりますので、IT業界へ転職したい方は参考にしてみてください。
詳しくは「IT・エンジニアにおすすめの転職エージェント比較・一覧【総まとめ】」をご参照ください。
今回は以上になります。最後までご覧いただきありがとうございました。
