レンタルサーバー選びを検討している際に、「マルチドメイン対応」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
マルチドメイン対応のレンタルサーバーは、一つの(契約)サーバーに複数のドメインを運用することができるので、複数サイトを運営する場合に費用を節約できて便利です。
今回は、マルチドメインのメリットやデメリット、よくあるケースなどについてご紹介していきます。
マルチドメインとは複数のドメインに対応するサーバー
マルチドメインの意味と仕組み
マルチドメイン(Multi Domain)とは1つのサーバーで複数のドメインを扱う仕組みです。マルチドメイン対応のレンタルサーバーは、一つの(契約)サーバーに複数のドメインを運用することができます。
マルチドメイン対応のレンタルサーバーは、上記例のように一つの契約サーバーの中に以下のように複数のドメインを設定することができます。
一つのレンタルサーバーに複数のドメインを設定した例
- aaaa.com
- bbbb.com
- cccc.net
- xxxx.co.jp
契約した賃貸部屋にパーティションを区切って複数の会社(人)が在籍するイメージですね
有名レンタルサーバーのマルチドメイン対応状況比較
今どきのレンタルサーバーであれば、下位プランでも大体のサーバーがマルチドメイン対応しています。下記はおすすめのレンタルサーバーの一例です。
項目 | エックスサーバー (スタンダード) |
ConoHa WING (ベーシック) |
ロリポップ (ハイスピード) |
さくらサーバー (スタンダード) |
mixhost (スタンダード) |
コアサーバー (Core-X) |
シンレンタルサーバー (ベーシック) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
マルチドメイン(ドメイン上限) | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 200個 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
ただし、まれにマイナーなサーバーではマルチドメイン対応していない(対応には高額プランが必要)サービスも存在するので、注意してください。
マルチドメイン運用のメリットとデメリット
マルチドメイン運用のメリット
マルチドメイン運用のメリットは、一つの契約レンタルサーバーで何個も独自ドメインのサイトを持つことができるので、費用が節約できて、管理も楽といった点があります。
レンタルサーバー費用(例. 年額12,000円)+独自ドメイン代(年額2,000円*個数)
最近のレンタルサーバーは、下位プランでもマルチドメイン対応しているものがほとんどです。
当初は一つの独自ドメインしか扱う予定がなくても、後から新規ドメインを取得して利用することも多いので、これからレンタルサーバーを契約するならマルチドメイン対応しているサービスがおすすめです。
マルチドメイン運用のデメリット・リスク
マルチドメイン運用にはデメリット・リスクもあります。
規模の大きいサイトや重要度の大きいサイトなど複数のサイトを全て一つのレンタルサーバーに詰め込むとリソース不足や障害時など何かあったときのリスクが大きくなります。
マルチドメイン運用のデメリット
- サーバーリソース(ディスク領域やメモリ・CPUなど)は共有のため、リソース不足になる可能性が上がる
- サーバー障害発生時などの場合は全ての独自ドメインのサイトやメール運用に不具合の影響がでる
たとえば、法人企業で極めて重要な複数のドメイン(ホームページやサービス・メール運用しているドメイン)をすべて一つのサーバーに詰め込んでいる場合は、万一サーバーが落ちると全て使えなくなるリスクがあるので、できればサーバーを分けておいた方が無難です。
とはいえ、今のサーバーは高性能・大容量・高い安定性のサーバーが多く、一般的なサイト運用目的で数個の程度の独自ドメインであれば一つのレンタルサーバーで運用しているところも多いです。
マルチドメインとサブドメインの違い
マルチドメインとよく似た言葉としてサブドメインというものがあります。ここからは良く混同されるサブドメインやサブディレクトリについて説明します。
サブドメインとは・マルチドメインとの違い
サブドメインとは、独自ドメイン(ルートドメイン)「〇〇〇.com」の前に任意の文字列で「△△△.◯◯◯.com」のように、ルートドメインから派生した異なるドメインのことをサブドメインと言います。
例えば、「shopping.webst8.com」は、ルートドメインである「webst8.com」のサブドメインとなります。
マルチドメインとサブドメインの違い
マルチドメインは前述の通り1つのサーバー上に複数の異なるドメインを運用することを言いますが、サブドメインとは同一ドメインから派生した異なるドメインのことを言います。
名前が似ていてよく混同されますが、意味合い的には全く異なります。
マルチドメイン | 1つのサーバー上に複数の異なるドメインを運用すること ◾️マルチドメイン例 ・webst8.com ・webst8.co.jp ・webst7.com |
---|---|
サブドメイン | 同一ドメインから派生した異なるドメインのこと ◾️サブドメイン例 ・blog.webst8.com ・shopping.webst8.com |
なお、マルチドメインの個数上限があるプランの場合はサブドメインもマルチドメインの一つとして個数カウントされることが多いため、注意しましょう。
また一つの独自ドメインで作成できるサブドメインに個数制限があるサーバープランもあります。
設定できるサブドメイン数は独自ドメイン1つにつき、エコノミープランは10件、ライトプランは300件、スタンダードプランは500件、ハイスピードプランとエンタープライズプランは無制限です。
独自ドメインのサブドメイン設定について | ロリポップ
サブドメインとサブディレクトリの違い
「サブドメイン」と似た言葉で「サブディレクトリ」という言葉もよく使われます。
サブディレクトリとは、ルートドメイン「〇〇〇.com」の後に任意の文字列で「◯◯◯.com/△△△/」のように、/(スラッシュ)で区切られた階層のことをサブディレクトリと言います。
例えば、「webst8.com/blog/」は、「webst8.com」のサブディレクトリになります。
ルートドメイン | サブドメイン | サブディレクトリ |
---|---|---|
webst8.com | shopping.webst8.com | webst8.com/blog/ |
(参考記事)サブドメインとサブディレクトリの違いと使い分け方
独自ドメインでなくサブドメイン・サブディレクトリを使うメリット
独自ドメイン(ルートドメイン)を新たに取得せずに、サブドメインサブドメインやサブディレクトリで運用するメリットは大きく、費用節約やSEOの効果を引き継げる点があります。
■サブドメイン・サブディレクトリを使うメリット
- 費用を節約できる(新たな独自ドメイン取得更新費用が発生しない)
- 親ドメインの信頼性などをサブドメイン/サブディレクトリにも影響させることができる
反面、サブドメイン/サブディレクトリが、独自ドメイン(ルートドメイン)に全く関連しないコンテンツの場合は親ドメインにも悪影響が起きるリスクがあるため、注意が必要です。
関連性のないサブドメイン/サブディレクトリ運用の例
- webst8.com・・・WEB/ITが主なコンテンツの独自ドメイン
- webst8.com/travel・・・旅ブログ(サブディレクトリ型)
- credit.webst8.com・・・クレジットカードブログ(サブドメイン型)
特に、サブディレクトリのサイトはルートドメインの評価の影響を受けやすく、サブディレクトリのコンテンツの質が低い場合ルートドメインにも悪影響を受けやすいというリスクがあります。
サブディレクトリにしサブドメインにしろ、運用する場合はある程度関連性のあるコンテンツで運用することをおすすめします。
マルチドメイン運用がおすすめなケース
ここからは、独自ドメインを複数作ってサイト運営するマルチドメイン運用がおすすめなケースについていくつかご紹介します。
基本的にサイト訪問するユーザー層が違う・見せたいコンテンツが違う・ジャンルが違う場合などに別々に分けることを検討することが多いです。
マルチドメイン運用するケース
- ターゲット層が違う
- 見せたいコンテンツが違う
- ジャンルが違う
あくまでケースバイケースですので、必ずしも別々にする必要はありません。
会社ホームページとサービス特化サイトを別々にする
一つ目は、会社ホームページ(コーポレートサイト)とサービスサイト(商品販売サイト)を別々のドメインで運用するケースです。
- 会社ホームページ(企業組織の紹介を中心に行い、取引先への信頼性UPや採用が目的)
- サービス/商品販売サイト(消費者に商品を販売・問い合わせをもらうことが目的)
会社ホームページとサービス特化サイトの具体例
会社ホームページとサービス特化サイトの具体例として、たとえばダスキン株式会社とミスタードーナッツなどがあります。コーポレートサイトとサービス(商品)サイトで独自ドメインが分かれています。
■ダスキン会社ホームページ
■ミスタードーナッツサービスサイト
実際にサイトを見てみると誰向けに何を伝えたいか確かに全然違いますね。
別ブランドホームページを立ち上げる時
二つ目は、別ブランドや別事業のホームページを立ち上げるケースです。サービスサイトの中でも明確にブランド/シリーズを分けたい場合や、全く別の事業を展開する場合に別ドメインで運用するケースも多いです。
- オリジナルTシャツブランドの販売サイト
- オリジナル万年筆ブランドの販売サイト
- 有機野菜ブランドの販売サイト
独自ドメインは分けずにサブドメインで分けて運用する例
一方、会社の信頼性を表に出したい場合は、別事業や別ブランドでも同じ独自ドメインのサブドメイン(xxx.独自ドメイン)で運用するケースもあります。
上記は楽天のケースですが、別事業ですが、楽天というブランドを出すためにサブドメインで運用していますね。
別ジャンルブログを立ち上げる時
三つ目は別ジャンルのブログを立ち上げるときのケースです。
- 日常を綴った雑記ブログ
- IT系転職に特化した特化ブログ
- クレジットカードに特化した特化ブログ
これは個人でブログを運営している方がイメージしやすいのではないでしょうか。
ブログの読者層が全く違う・目的・コンテンツが違う場合は別の独自ドメインで運用するケースが多いです。
マルチドメイン運用する必要がないケース
ホームページのコラム・ブログなどの機能を掲載する場合は、あえて別ドメインに運用しなくてもサブディレクトリなどで運用する場合もあります。
- 自社ホームページのブログ
- 自社ホームページのコラム
まとめ
まとめです。今回は、マルチドメインのメリットやデメリット、よくあるケースなどについてご紹介しました。
マルチドメイン対応のレンタルサーバーは、一つの(契約)サーバーに複数のドメインを運用することができるので、複数サイトを運営する場合に費用を節約できて便利です。
レンタルサーバー選びの際には基本的にマルチドメイン対応しているサーバー/プランを選んであげると良いでしょう。
マルチドメイン対応サーバー例
今どきのレンタルサーバーであれば、下位プランでも大体のサーバーがマルチドメイン対応しています。下記はおすすめのレンタルサーバーの一例です。
- ConoHa WING ベーシックプラン:マルチドメイン無制限
- エックスサーバー スタンダードプラン:マルチドメイン無制限
- ロリポップ ハイスピードプラン:マルチドメイン無制限
- さくらのレンタルサーバ スタンダードプラン:マルチドメイン200個
- mixhost スタンダードプラン:マルチドメイン無制限
なお、まだレンタルサーバーを契約していない方は、「【おすすめレンタルサーバー比較】WordPress対応サーバー7選+」でマルチドメイン含めてスペックを比較していますのでご参照ください。
今回は以上になります。最後までご覧いただきありがとうございました。
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