2018年11月24日 農業
今回のインタビュー相手
今回は、会社員から脱サラして農業の道へと進んだ「ブルーベリーファームはんなん(仮称)(※)」の園主 成子年男(なるこ としお)さんにお話を伺いました。
成子さんは、50歳になる2018年に27年間勤めたIT企業を退職。2020年に大阪府岬町にブルーベリー観光農園をオープンする予定で準備を進められています。
そんな成子さんに、会社員を辞めて農園をオープンしようと思ったきっかけや想い、今後の構想やIT・Web活用について伺いました。
(※2019年5月追記)2018年11月の本インタビュー時点では、ブルーベリーファームはんなん(仮称)でしたが、2019年5月に正式名称として「ブルーベリーファームみさき」に決定しました。以下名称を「ブルーベリーファームみさき」で統一しています。
もくじ
今回のインタビュー相手 大阪南部でブルーベリー農園をオープン予定の成子さん
- Q. 成子(なるこ)さんは、今どのようなお仕事をされているのでしょうか?
- (成子)IT企業で企業向けシステムの営業を27年間していましたが、今年9月末に脱サラ・退職しました。現在ブルーベリーの観光農園オープンを目指して準備中です。
大阪の南部(岬町)にある土地を利用して観光農園を2019年プレオープン、2020年夏グランドオープンする予定です。今は自宅の裏庭でブルーベリーの苗木を栽培しながら、観光農園オープンに向けて動いています。
お話を伺うインタビューアーの河本さん
- Q.どのような観光農園を計画されているのですか?
-
(成子)メインは、ブルーベリーの摘み取り農園(ブルーベリー狩り農園)です。ブルーベリーの収穫シーズンは6月から8月。さまざまな品種を植えることでシーズン中は色々な味を楽しめるようにします。
また、農園カフェを作ってそこでブルーベリーを使ったスイーツも提供する予定です。ほかにも、親子で楽しめるようにミニアスレチックやジャム作りなどの体験イベントを計画しています。シーズンオフには苗木植樹祭やブルーベリー栽培教室なども開催する計画です。
自宅で育てているブルーベリー苗木の栽培を見学しました
- Q.農園用のブルーベリーの苗木を今は自宅で育てられているのですね?
-
(成子)はい。現在、自宅の裏庭で20品種・300株の苗木を育てています。苗木は農園オープン前に予定地に移動する予定です。ブルーベリーの品種は細かく見ると数百種類あり、色や形もさまざまで500円玉ほどの大きな実になるものもあります。
ブルーベリー農園のオープンまでには50品種、1000株ぐらいに増やしたいと思っています。
500円ほどの大きさのブルーベリー
ブルーベリーの苗木を見る成子さん
- Q. 苗木の寿命はどのくらいなのでしょうか?
- (成子)1本の苗木の寿命は30〜40年ぐらいと言われています。美味しいブルーベリーの実ができるのは、苗木が4年目頃になったころから25年目ぐらいまでです。
今はブルーベリーの実を摘み取りやすくするために、高さを出さず枝を横に伸ばすように低めに剪定しています。
ポット栽培システム。
お子さんもお手伝いされています
- Q.どのように育てているのでしょうか?
- ブルーベリーの栽培はポット式養液栽培システムを採用しています。養液栽培用のアクアフォームという吸水スポンジのようなものをポットに入れてそこに苗木を植えています。
ブルーベリーが好む肥料をミックスした養液を養液タンクからチューブを経由して各ポットに自動制御で注入しています。養液の性質は数値でチェックしブルーベリーが好む生育環境を保ちます。
タイマー制御で1回5分、スイッチオン。真夏は1日4回注入していますが、真冬はブルーベリーが休眠期のため注入は停止しています。
苗木の天敵はコガネムシの幼虫。虫に食べられると葉っぱの色も変わります
- Q.育てるのに苦労していることはなんでしょうか?
- 安心していただけるように減農薬で育てたいと思っています。そのぶん害虫の対策に苦労しています。ブルーベリーの一番の天敵はコガネムシの幼虫。土の中で根を食い荒らし、木を弱めます。
最初はわからなかったのですが、最近ではアクアフォームや葉の状態を見ると、幼虫がいることがわかるようになってきました。
ブルーベリーの花が咲いている苗木もありました
- Q.ブルーベリーは大阪の気候や土壌で育ちやすいのでしょうか?
- (成子)必ずしも大阪に適しているとは言えません。ブルーベリーは気候や酸性土壌が合う東日本で主に生産されています。大阪の全国シェアはたった0.1%。関西人は甘くておいしい生のブルーベリーを食べる機会が少ないのです。
しかし、ポット栽培を利用した新技術を使用すると糖度16度以上のブルーベリーを作ることができます。良好な生育環境で半年でかなり大きくなりました。2年生の苗木をポットに植えて養液栽培で半年間でここまで育ったと言うと、土耕栽培されているブルーベリー農家の方は驚かれていました。
会社員を辞めて農園を始めようと思ったきっかけをお伺いしました
- Q. 何がきっかけで脱サラしての農園を始めようと思われたのでしょうか?
- (成子)もともと家族で週末に出かけることが好きで観光農園にもよく行っていました。昨年、夏休みの家族旅行の計画を立てているときに、行先にブルーベリーの観光農園があると知り、予約しようとしたら定員いっぱいで予約できませんでした。周辺のブルーベリー農園もすべて予約でいっぱい。
「これはどういうこと?」と調べたら、数週間前にはシーズン中の週末はほぼ予約で埋まるという状況を知りました。そこからブルーベリー農園に興味をもち、本格的に調べ始めました。
- Q. そこから農園オープン決断に至ったのでしょうか?
- (成子)実は、もうひとつきっかけがあって、父親から受け継いだ山林の土地があったことです。父親は趣味で果樹を栽培していましたが、そこそこの年齢になったため、7、8年前からほとんど放置状態となっていました。
このまま放置状態で次の世代に渡すのも忍びない。私の代でその土地をどうにか有効活用したいと思っていました。
最初は60歳定年になってからスタートしようと考えていましたが、60歳で農園の設計や調整、営業・集客を一から始めるのは厳しい。そこで、50歳の今、脱サラして新しい事業を始めることを決断しました。
プロ農家としての基本スキルを身につけるために、農業大学校の「短期プロ農家養成コース(果樹部門)」にも通い始めました。
受け継いだ土地。ここで新たに農園をオープンする予定
- Q.農園予定地はどんな場所ですか?
- (成子)場所は大阪府最南端の岬町にあります。近くに淡輪海水浴場があり、南海の淡輪駅から徒歩12分です。
農園予定地は道路沿いで、この道は夏には12万人が通ります。申し分のないロケーションです。面積は約10,200㎡。甲子園球場のグランドよりも少し小さいぐらいです。
農園の整備をする成子さん
- Q.IT業界から農業へ独立。新しい分野へのチャレンジで大変ではないでしょうか?
- (成子)はい。かなり大変です(苦笑)。これまでいたIT業界とはまったく畑違いの業界に進んだので、行政対応や土木、建築関係の対応で予想以上に時間がかかっています。
農地法や市街化調整区域に関することなど許認可が多く、越えなければいけない壁がたくさんあります。現実の課題をクリアしないと、夢を実現することはできません。農業は行政との協力関係が非常に重要となります。先日、行政にプレゼンテーションを行っていろんな相談をしてきました。これから数ヶ月かけていくつかの許認可をクリアしていきます。
- Q.どんなときにやりがいを感じますか?
- (成子)一から自分で考えて少しずつ現実になっていくところにやりがいを感じます。うれしいのは、まだオープンしていないのに多くの方に期待や応援をしてもらってることです。
正直なところ、現実面で越えなければいけない壁がたくさんあります。しかし、オープンすれば観光事業として地域の貢献にもなると考えていますし、みんなに楽しんでもらえるような観光農園をつくりたいという、夢を追いかけて頑張ります。
地域社会の貢献も考えているという成子さん
IT企業出身の強みを生かし、農業にWebやITの活用を狙う
- Q. ホームページのことについてお聞きします。WEBの勉強をしようと思ったきっかけはなんでしょうか?
- (成子)観光農園は一般のお客様が対象で、来園前後の情報発信が重要になります。そこに対応したホームページやWeb集客の仕組みが必要だと感じて勉強しようと思いました。
昔、ホームページビルダーでホームページ作成は経験していましたが、今から新規で作成するにはどのような技術がいいのだろうと、ネットで調べました。また、本を読んで独学するのも時間がかかると思ったので、早く技術を習得できるようにWebスクールに通おうと思いました。
どんなキーワードで検索しても出てきたという成子さん。ありがとうございます!
- Q.なぜ今のWEBスクールに通おうと思ったのですか?
- (成子)ネットで検索すると、こちらのWEBスクール(※WEBST8)が出てきました。いくつか違う切り口のキーワードで検索しても同じスクールが出てきて、「あれ?何で検索しても、全部同じスクールが出てくる」と気づきました。
他のスクールも数ヵ所見ましたが、こちらのスクールはコンテンツの作り方がうまかったです。生徒さんの意見を聞きながら積み上げていったようでレベルが違うように感じました。「このスクールは大阪でナンバーワンだ。」と思い申し込みました。
Web戦略についてお話しする二人
- Q.WEBスクールに通ってどうでしたか?
- (成子)丁寧なレッスンで技術を習得できるので、自分でホームページを作りたい人にぴったりなスクールです。SEO対策も独学は限界がありますから、学べて良かったです。このスクールは検索上位ですから実力は確かなものだと思います。
個別で相談もできるので、プレゼン用にパワーポイントで作った資料も見てもらいました。企業向けの資料作りに慣れているので「一般の方向けには表現が堅いですね」と指摘されて、直したりもしました(笑)。
- Q.今後さらにどのようにホームページを活用していきたいですか?
- (成子)今はまだオープン前なので、現段階ではホームページは土台ができればいいと考えています。本格的な稼働はオープン後、ホームぺージからの集客が重要になってきます。
スクールでは、WEB作成の技術的な勉強だけではなく、同じスクールで学んでいる人との情報交換やこれから事業を立ち上げる人たちとの交流の場にもなっていると感じています。まだホームページのコンテンツが十分でないところも多いので、もっと充実させてホームページからお客様が増えるようにしたいと思います。これからも長いお付き合いをさせていただければと思います。
最後に一言お願いします
(成子)着手すべきことはたくさんあります。今の目標は来年7月のプレオープン。数日間、お披露目会をしますが、ここでいかに魅力を伝えられるかが大事です。
IT企業出身のキャリアとノウハウを生かして農業のIT化にも取り組んでみたいと考えています。ブルーベリー栽培の日常の運用は養液栽培システムにより自動化が実現出来ました。将来的には土壌pH管理のIoT機器の活用、AIやロボットの活用による農業の生産性向上も取り組んでいきたいと考えています。
実は観光農園の名前はいま検討中で今後の展開を色々計画しています。
ここでは言えませんが、ブルーベリー観光農園事業が軌道に乗れば、農地を利用した新しい事業も展開したいと考えています。
ブルーベリーは栄養豊富で健康と美容にも良い食品としても人気があります。ぜひ農園に来ていただき、甘くておいしいブルーベリーを食べてほしいと思いますのでよろしくおねがいいたします!
来年のプレオープンが楽しみですね!お話ありがとうございました!!
インタビューにご協力いただきましてありがとうございました!今回、成子さんがIT企業から脱サラして農業を始めた経緯や想いを改めて詳しく知ることができました。
お話を聞くのに集中しすぎて集合写真を撮るのを忘れました(笑)またプレオープンの際はぜひお邪魔させてくださいね!より魅力的なホームページを目指して引き続きがんばりましょう!
大阪の岬町にあるブルーベリー農園 ブルーベリーファームみさき
ブルーベリーファームみさきは、大阪南部の岬町にあるブルーベリー農園です(準備中)
スタートするための多くの出会いやチャンスと遭遇しました。「このタイミングしかない」と放棄地状態であった土地を開拓し、大阪ではまだまだ珍しいブルーベリーを育てるという決心をしました。2018年10月に脱サラ。ブルーベリー観光農園をオープンさせるための準備中です!
ブルーベリーファームみさきのホームページはこちら
今回のインタビューアー
河本樹美(コピーライター)
大阪のコピーライター事務所
オフィスカワモト
今回の企画・撮影
松本 慶(スクール代表)
大阪のWebスクール・HP作成教室 WEBST8