2018年12月10日 古物商
今回のインタビュー相手
大阪堀江にあるGallery尚
今回は、大阪堀江で古美術品の販売・買取専門店「Gallery尚(しょう)」の奥田夫妻(奥田尚武さん・奥田祥子さん)にお話をうかがいました。
ご主人の奥田尚武さんは古美術の世界に入って現在33年目。2年前に大阪堀江にGallery尚をオープンされ、古美術の中でも明治工芸(特に明治金工)に力を入れておられます。また、奥様の奥田祥子さんは、Web方面のご担当でホームページ制作や運営をされています。
そんな奥田さんに古美術の世界に入ったきっかけや仕事への想い、およびホームページに力を入れている理由をお聞きしました。
もくじ
大阪の堀江で古美術品を取り扱う「Gallery尚」を運営
今回のインタビュー相手 Gallery尚 奥田尚武さん
- Q.今はどのようなお仕事をされていらっしゃるのでしょうか?
- (奥田尚武さん)大阪の堀江で「Gallery尚」を運営しています。古美術品の販売と買取を行なっています。
現在古美術の世界に入って33年目になりますが、ここ3年ぐらいは明治工芸(その中でも特に質の高い明治金工)の品に力を入れているのが特徴です。
妻にはGallery尚のホームページの制作と運営を任せています。
妻の奥田祥子さん。Web制作や運営を担当
- Q.奥様も古美術に詳しいのでしょうか?
- (奥田祥子さん)いえ、元々それほど詳しくはありませんでした。古美術のことをよく知らないときは、家に商品があると壊さないように気を遣わなければならず、邪魔な存在でした(笑)。
しかし、数年前から古美術の仕事を手伝い始めて、見るところも変わり興味も湧いてきました。今は、主人に商品のことや参考になる本について教えてもらいつつ、ホームページを作っています。
2年前に四天王寺から大阪堀江に移転したGallery尚
- Q. どのようなきっかけで今の古美術のお仕事を始めたのですか?
- (奥田尚武さん)元々は建築関係の学校出身で、古美術はまったく未知の業界でした。そんな中、33年前にとある古美術店のオーナーと知り合い、その人に魅力を感じて古美術の世界に入りました。
当時は右も左もわからないような状況でしたが、丁稚奉公のような感じでひとつずつ勉強させてもらいました。働きながら感覚を磨いて、その20年後に独立しました。
当初は百貨店にテナントとして入っていましたが、その後四天王寺に店をオープン。そして、2年前にこの大阪・南堀江の店に移転いたしました。
ここ数年は明治工芸(明治金工)に力を入れているのがGallery尚の特徴
Gallery尚には古美術品や古美術の本が並んでいます
- Q.ここ数年は明治工芸に力を入れているとのことですが、明治工芸というのはどのようなものなのでしょうか?
- (奥田尚武さん)明治維新の時代、長い鎖国で日本には外貨がなく、明治政府は国策事業として伝統的な工芸品の輸出に力を入れました。刀装金工師や蒔絵師に輸出用工芸品の製作に当たらせました。その緻密な技巧は日本国として初めて参加したウィーン万国博覧会で評判となり、大ブームとなったのです。このときの工芸品が明治工芸と呼ばれています。
元々欧米に輸出されていましたが、その後日本に持ち帰られ、優れた作品に魅了される人が増えていったのです。当時、藩のお抱えだった職人は、作品がダメなら斬られることもあるので、命懸けでつくり、腕を磨きます。現代とは状況が違うので、同じものはつくれないでしょう。
明治工芸(明治金工)の魅力についてお話しする奥田尚武さん
- Q.なぜ明治工芸(明治金工)に絞り込まれたのですか?
- (奥田尚武さん)私が好きだというのももちろんありますし、職人の技量が素晴らしい。現代ではつくることが困難なものばかりです。また、値付けも厳しい。簡単に見えても1、2年かけてつくっているものもあります。今ならその時間を加味して値段をつけるでしょうから、高額になります。
当時職人は「ほかの人が持っていないような良いものをつくれ」という要望を受けていたので、オリジナリティの高い作品が多いです。明治工芸が好きな人も、他の人が持っていないオリジナリティのある作品を希望されますね。
- Q.価格帯はどのぐらいになるのでしょうか?
- (奥田尚武さん)何千円から何億円まであり、幅広いです。いったん高値が付いても、値段が下がることもあります。この世界にも流行り廃りがありますから、多くの人が求めれば高額になり、求められなくなれば価格は下がります。
ある作家が何かのきっかけで注目されて、いきなり高額になることもあります。クオリティが高いものは値崩れしませんから、そのようなものを選んで持つ方がいいですね。
自分の目利きで、買い戻したいと思うランクのものを扱いたいと思っています。「売りたくないな」と思う作品もありますよ。そういうものから先に売れていきますけどね(笑)。
明治工芸の良さをもっと広めて、日本人のファンを増やしていきたい
奥田さんのお話を聞くインタビューアー河本さん
- Q.お客様はどのような方が多いのですか
- (奥田尚武さん)マニアックな世界ですが、展示会やフェアには結構幅広い人たちが来られます。
百貨店で販売していた時代では20歳ぐらいの方が購入されたこともありました。ただ購入される多くの方は、やはり年齢層は高くて余裕のある方ですね。みなさん自分の好きなものを深く追求しています。
既存のお客様の場合は好みがわかるのでこちらから情報をご提供する場合もありますし、先方からこういうものが欲しいというご連絡が来る場合もあります。自分の好きなものに出会えるのはご縁。そこを逃すと二度と会えないこともあります。
- Q.仕入れはどのようにされているのですか?
- (奥田尚武さん)仕入れの時期や量は決まっていません。出回ってないときもあるし、たくさん出ているときもあります。これも縁ですね。
明治工芸(明治金工)に特化していることが次第に認知され、声がかかることもあります。一目ぼれで気に入って仕入れてもコレクションはせず、すべて販売しています。
- Q. 今後、どういう方向を目指していきたいですか?
- (奥田尚武さん)明治工芸の良さをもっと広めて、日本人のファンを増やしたいと思います。今、明治工芸の多くは日本にあまり残っていないんです。外国の美術館が明治工芸品を所有していて、逆輸入のような形で日本で明治工芸の作品を出展することも多くあります。
日本人よりも外国人の方が日本の明治工芸の価値を認めています。明治時代、何ヵ月もかかって日本のものを欧米に持って行っていました。難破して海に沈む場合もあり、すべてが届くわけではなかった。それだけに、日本のものは貴重だったのでしょう。
それでも、明治工芸に興味をもつ日本人が増えれば、日本にも作品が戻ってくるようになると思います。
ホームページビルダーからワードプレスに移行してWeb方面を強化
- Q. Webのことに話題を移します。もともとWEBの勉強をしようと思ったきっかけはなんでしょうか?
- (奥田祥子さん)堀江に移転する前の四天王寺で店を構えていたときに、ホームページビルダーでホームページを作成しました。その時のホームページでも問い合わせがあったりはありました。しかし、主人からの要望で「ひとつの商品に対して、いろんな角度からの画像を入れてほしい」と言われましたが、どうすればよいのかわかりませんでした。
また、元々ワードプレスでホームページを作りたかったのですが、当時やり方がわからず諦めていたのでワードプレスで作りたいとも思っていました。色々やりたいことはあったのですが、どうしたら良いのかわからず教えてくれるところを探していました。
ネットで調べて見つけた当スクール。偶然近所で共通の知り合いもいて安心したとのことです
- Q.そんななか、なぜ今のWEBスクール(※WEBST8)に通おうと思ったのですか?
- (奥田祥子さん)新聞の折り込みチラシなどでスクールの広告を見ていたのですが、どこも基本的な使い方を教えてくれるところばかりで、作りたいホームページはできない気がしました。
そんな時にお店からすごく近い場所にこのスクールがあることをネットで調べて知り、気になっていたSEOも教えてもらえるとのことで問い合わせました。近所同士で共通の知り合いもいたので安心もしました。作りたいホームページのイメージを説明すると「できますよ」というお返事だったので、このスクールに通うことに決めました。
- Q.WEBスクールに通ってどうでしたか?
-
(奥田祥子さん)最初の1ヶ月くらいでまずホームページビルダーからワードプレスに移行しました。使い方を覚えながら、徐々に写真や情報量を増やしたりしました。
競合サイトの調査や自サイトの見せ方などアドバイスをいただきながら、以前のホームページよりも格段に良いものができました。まだ作成途中なので、もっと内容を濃くする必要がありますが、気に入っています。買取にも力を入れたいので、買取専門のホームページも新しく作っています。
先日ホームページから問い合わせがあったという奥田さん
また、先日ホームページからお問い合わせもありました。ホームページが見やすくなったこともあるでしょう。
明治工芸に興味をもってくれる人や作品を好きになってくれる人を増やしたいですね。これからもっと良くなると思うので期待しています。
(奥田祥子さん)投稿ページで各商品を紹介する方法を教えてもらい、画像をクリックすると拡大したり、1商品に何枚も画像を載せて説明したりして、よりわかりやすく商品を紹介できています。
他にもさまざまなアドバイスをいただいています。全体の形が整ったら、今度は作品の作家説明などひとつの商品についてより深い情報を入れていく予定です。時代背景や取り扱いについても書きたいと思います。
「情報を蓄積すると財産になるよ」と先生からも言われています。投稿ページは商品に関することだけではなく、お客様に役立つコラムなどを書いてもっと情報量を増やしていきたいと思います。
最後に一言お願いします
(奥田祥子さん)ワードプレスで自分が作りたいページを作成できるようになりました。以前のホームページよりもかなり自由度が高いですね。「こんなことをしたい」とレッスンで希望を言うと、「こうしましょう」とすぐにできるので、このスクールに通って良かったと思います。
ここに通い始めて、いろんな業者や企業のホームページをチェックするようになりました。特に構成を見ます。どんな風にリンクしているか、どのような動線かなど。ワードプレスを自分で触れるのは面白いですね。
(奥田尚武さん)ホームページで明治工芸や商品、作家についての情報をたくさん載せて、明治工芸に興味をもってくれる人や作品を好きになってくれる人を増やしたいですね。買う買わないは二の次で、まずはそこからです。昔の日本人の職人さんが大変な思いをしてつくった作品なのに、日本で知られていないのは寂しい。より多くの人に知ってもらい、ファンを増やしていきたいと思います。
お話ありがとうございました!これからも引き続きよろしくお願いいたします!
Gallery尚 奥田夫妻・ライターの河本さん・Webスクール運営の松本
インタビューにご協力いただきましてありがとうございました!今回私も全く未知の分野の古美術についてのお話を伺い、非常に勉強になりました。
日本でもよりたくさんの方に明治工芸の良さを広められるようにこれからも頑張ってください!今後ともよろしくお願いいたします!
大阪堀江にある古美術の販売・買取専門店 Gallery尚
Gallery 尚(Sho)は、古美術・古道具・アンティーク品の販売と買取の専門店です
当店では仕事の良い見どころのある質の良い商品をご提案することを大切にしております
商品のお問い合わせ、買取についてはお気軽にご相談、お問い合わせください
明治金工・古美術品のご購入なら大阪南堀江のGallery尚はこちら
今回のインタビューアー
河本樹美(コピーライター)
大阪のコピーライター事務所
オフィスカワモト
今回の企画・撮影
松本 慶(スクール代表)
大阪のWebスクール・HP作成教室 WEBST8