WordPressでは、日進月歩で機能追加や不具合や脆弱性の修正など開発が進められています。
機能追加・修正ごとに新しいバージョンとしてリリースされており、WordPressを運用するサイトでは基本的に最新バージョンへの更新が推奨されています。
このバージョンが上がることを基本的にはアップデートといい、WordPressではそのアップデートの中にも、メジャーアップデートとマイナーアップデートの2種類のアップデートが存在します。
この記事では、WordPressのメジャーアップデートとマイナーアップデートの違いについて詳しく解説していくので、是非お役立てください。
この記事で分かること
- WordPress メジャーアップデートとマイナーアップデートの違い
- バージョンアップの自動設定と手動設定について
WordPress メジャーアップデートとマイナーアップデートの違い

詳しい説明に入る前に、WordPressのメジャーアップデートとマイナーアップデートについて、大きく違う項目を比較してみました。
項目 | メジャーアップデート | マイナーアップデート |
---|---|---|
バージョン番号 |
A.B.Cのうち最初の左2桁(AまたはB)のアップデート |
A.B.Cのうち3桁目(C)のアップデート (例)4.9.0→4.9.1 |
主な変更内容 |
・新機能の追加 |
・セキュリティ強化 ・不具合修正 |
変更範囲 | 大きい | 小さい |
更新頻度 | 4〜5ヶ月に一回程度 | 必要に応じて随時 |
WordPressの3桁のバージョン番号の意味
WordPressでは、バージョン管理として3桁の番号(A.B.C)を持っています。たとえば、2021年1月10時点の最新は「5.8.3」です。
このうち、WordPressのメジャーアップデートが行われた際は、バージョン番号の最初の2桁が「5.7.3」→「5.8.0」や「4.9.3」→「5.0.0」のように変更されます。
一方、WordPressのマイナーアップデートが行われた際は、バージョン番号の最後の1桁が「4.5.1」→「4.5.2」、「5.2.3」→「5.2.4」のように変更されます。
このように、WordPressのメジャーアプデートとマイナーアップデートの1番わかりやすい見分け方が、バージョン番号にあるので覚えておくと良いでしょう。
メジャーアップデートとマイナーアップデートの変更内容と範囲
メジャーアップデート
まずメジャーアップデートの場合、以前のバージョンには無かった新規機能・仕様変更や開発者向けのAPIが新しく追加されたりします。マイナーアップデートと比較して変更範囲はとても大きいアップデート内容になります。
例えば、直近のWordPress5.8のメジャーアップデートでは、ウィジットがブロックエディターで管理できるようになったり、画像フォーマットのwebpがサポートされたりと、これまで無かった新規機能が追加されました。
WordPressはオープンソースのソフトウェアですので、世界中の色々な開発者がWordPressを使ってサービスを開発しています。日本でもWordPressテーマを作成している開発者が沢山いますが、開発者向けのAPIとはそういう方達向けの新規機能になります。
マイナーアップデート
続いてマイナーアップデートの場合、メジャーアップデートと比較してとても小さいアップデート内容になります。
以前のバージョンからアップデート後に見つかる小さな不具合バグの修正や脆弱性の修正を中心に、コミッター方々の提案や意見を取り入れたり、既存の機能拡張など、大きく新しい何かを追加することはしないことが特徴です。
アップデートの更新頻度
メジャーアップデートは上記で紹介したように、以前なかった新規機能の追加がメインになるのでその頻度は多くありません。数ヶ月(4〜5ヶ月)に一回程度です。
一方、マイナーアップデートの場合は必要に応じてバグ修正等の細かい調整がメインになるので、その頻度は多くなります。
WordPress公式は、メジャーアップデートを4, 5ヶ月の頻度を目安に、マイナーアップデートを必要に応じて随時行うとアナウンスしています。
we aim for 4-5 months for a major release, and minor releases happen as needed
メジャーリリースは4~5ヶ月を目安に、マイナーリリースは必要に応じて行います。
Configuring Automatic Background Updates
現在のWordPressバージョンの確認方法
WordPressで作られたサイトのバージョンは管理画面から簡単に確認できます。
現在のバージョンの確認方法は、ご自身のWordPress管理画面ダッシュボードから、更新を選択します。下記添付画像で言うと、オレンジ下線が引かれている現在のバージョン:5.8.2の部分です。

何か新しいプラグインをインストールしたり、テーマを切り替えた際にうまく動かない場合は、そのバージョンと使用するプラグインやテーマと互換性がないこともあります。
バージョンを知っておくことで、例えばWordPressで新しいプラグインをインストールした際に、WordPressのバージョンと互換性がなく期待した動作をしてくれない場合もあります。そんな時にWordPressのバージョンを知っておくと、すぐに問題解決する場合が多いです。
特にWordPressのメジャーバージョンアップした直後に起こる不具合はその可能性が高いので、GoogleやYahooなどの検索エンジンにて、以下のように検索すると解決する記事が見つかることも多いです。
〇〇.〇にはバージョン数を入力
- WordPress〇.〇〇 プラグイン(もしくはテーマ名) 互換性
- WordPress〇.〇〇 XXXできない
WordPressのアップデート設定について

WordPressにはメジャーアップデートとマイナーアップデートの2種類のアップデートがあると紹介しましたが、メジャーアップデートに関しては自動更新と手動更新を選択することができます。
2020年11月に導入されたWordPress5.6から新規インストールされるサイトは、メジャーアップデート、マイナーアップデート共に、デフォルトで自動更新になっています。
ご自身のWordPressのアップデート方法が自動更新か手動更新のどちらの設定になっているかを確認するには、先程紹介したWordPress管理画面の現在のバージョン:〇〇.〇が記載されているところの下の部分を見て判別することができます。
アップデート自動更新の場合
下記添付画像のオレンジ下線が引かれているテキストが、このサイトは WordPress の新しいバージョンごとに自動的に最新の状態に保たれます。と記載されている場合はメジャーアップデートが自動更新の設定になっています。

■「このサイトはWordPressの新しいバージョンごとに自動的に最新の状態に保たれます」の場合
内容 | 自動更新 |
---|---|
メジャーアップデート | ◯ 対象 |
マイナーアップデート | ◯ 対象 |
メジャーアップデートの更新を手動設定に変更したい場合は、その下にあるメンテナンスリリースとセキュリティリリースのみの自動更新に切り替えます。のリンクテキストをクリックすることで、メジャーアップデートが手動更新の設定になります。

アップデート手動更新の場合
下記添付画像のオレンジ下線が引かれているテキストが、このサイトは WordPress のメンテナンスリリースとセキュリティリリースのみで自動的に最新の状態に保たれます。と記載されている場合はメジャーアップデートが手動更新の設定になっています。

■「このサイトはWordPressのメンテナンスリリースとセキュリティリリースのみで自動的に最新の状態に保たれます」の場合
内容 | 自動更新 |
---|---|
メジャーアップデート | × 対象外 |
マイナーアップデート | ◯ 対象 |
メジャーアップデートの更新を自動設定に変更したい場合は、その下にあるWordPress のすべての新しいバージョンに対する自動更新を有効にします。のリンクテキストをクリックすることで、メジャーアップデートが自動更新の設定になります。

自動更新と手動更新のメリット・デメリット
WordPressアップデートの自動更新と手動更新の設定について紹介しましたが、結局どっちの設定がいいの?と疑問に思う方も多いでしょう。
どちらも一長一短あります。
WordPress公式では、以下のように説明しています。
WordPress を常に最新版にアップグレードするようにしてください。新バージョンが利用できるようになると、WordPress の管理画面に更新メッセージが表示されます。このメッセージ内のリンクをクリックして更新画面へ移動しましょう。
アップデートを始める前にサイトをバックアップすることをおすすめします。そうすれば、何か問題が発生しても簡単にサイトを元に戻せるからです。
WordPress のアップグレード | WordPress.org 日本語
基本的な考え方は最新版にアップデートが推奨されています。
しかし、実運用上においては、WordPressが知らないうちにメジャーアップデートされたのにもかかわらずプラグインやテーマの更新が追いついておらず不具合が知らないうちに起きていたということもあります。
そういった方はメジャーアップデートは手動で更新する運用でも良いかもしれません。
自動更新、手動更新どちらの設定にせよ何かアクションを起こす場合には、しっかりバックアップをとっておく事で、もし仮に問題が発生しても元に戻すことができます。
WordPressバックアップ専用のプラグイン「BackWPup」等を利用して、問題が起きた場合でも対応できるようにしましょう。
(関連記事)【BackWPupの使い方】WordPress バックアッププラグイン
Webサービスやソフトウェアにおいて、100%完璧なシステムというのは存在しません。
世界的に莫大なシェアを誇るWordPressもその一つで、長年利用していれば必ずと言っていいほどバグが発生します。ご自身で運営されているサイトであれば、手が届く範囲だけでもしっかり管理するようにしましょう。
まとめ

まとめです。今回は、WordPressのメジャーアップデートとマイナーアップデートの違いとアップデートの自動更新と手動更新の設定方法について紹介しました。
項目 | メジャーアップデート | マイナーアップデート |
---|---|---|
バージョン番号 | A.B.Cのうち最初の左2桁(AまたはB)のアップデート (例)5.7→5.8のアップデート (例)4.9→5.0のアップデート | A.B.Cのうち3桁目(C)のアップデート (例)4.9.0→4.9.1 (例)5.8.2→5.8.3 |
主な変更内容 | ・新機能の追加 ・仕様変更 ・セキュリティ強化 ・不具合修正 | ・セキュリティ強化 ・不具合修正 |
変更範囲 | 大きい | 小さい |
更新頻度 | 4〜5ヶ月に一回程度 | 必要に応じて随時 |
WordPressアプデートの設定は自動更新と手動設定のどちらにしても、プラグイン等を利用して必ずバックアップを取ることをおすすめします。
今回は以上になります。最後までご覧いただきありがとうございました。
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