ホームページを自作する際に「WordPressは難しそうなので簡単なサービスを利用したい」といった方もいらっしゃると思います。
Wixやジンドゥーと並んで最近人気のホームページ作成サービスが「STUDIO(スタジオ)」です。
STUDIOは小規模なホームページを作成したい事業主やデザイナーにおすすめです。
- ブラウザ上で操作するツールで初心者でも簡単にホームページ作成できる
- 日本発の比較的新しいサービスで、最近人気がでてきている
- 小規模・シンプルなホームページ作成に向いている
今回は、STUDIOの特徴や評判、使ってみて感じたメリットデメリットをご紹介します。
この記事に記載の内容は、2023年10月確認時点の情報です。また当方が体感した・調べた範囲内での主観による評価・説明も含まれていることをご了承のうえ、最新の正確な情報・利用ルールは公式サイトをご確認ください。
ウェブサイト作成ツール「STUDIO」の概要とプラン料金
STUDIOの概要と特徴
「STUDIO」は、東京都渋谷区にオフィスを構えるSTUDIO株式会社が提供しているウェブサイト作成ツールです。
レンタルサーバー不要で、SNSを開設するようにWebブラウザ(Chrome)から操作できます。HTMLやCSSなどのコードを書かなくても、サイト作成・公開できるので初心者でも簡単です。
Q.レンタルサーバーは別途用意する必要がありますか?
A. 用意する必要はありません。
STUDIOでは独自にサーバーを提供しており、全てのプランでご利用いただけます。
STUDIOの各プラン機能の比較
プランは無料版(Free)も備えており、2023年10月時点では「FREE」「Starter」「CMS」「Business」プランの4つの中から選択できます。
プラン名 | FREEプラン | Starterプラン | CMSプラン | Businessプラン |
---|---|---|---|---|
月額料金 | 0円 | 980円(税込)〜 | 2,480円(税込)〜 | 4,980円(税込)〜 |
概要 | 無料で使えるお試しプラン
|
縦長1枚のホームページ、ランディングページを作りたい方向けのプラン
|
本格的にビジネス向けWebサイト・ブログを作りたい方向けのプラン
|
月間PVが100,000PVを超えると予想される大型メディアを作りたい方向けのプラン
|
無料プラン(FREEプラン)と有料プラン(Starter・CMS・ Businessプラン)で大きく異なる点は、下記の5点です。ビジネス用途なら独自ドメインが利用できる有料プランがおすすめです。
- 独自ドメインが使用できる
- STUDIOバナーを非表示にできる
- 外部Apps(例: Google Analyticsやサーチコンソール)と連携できる
- CMSを利用して公開できる記事数の上限が増える(※Starterプランを除く)
- 有料プラン専用サポートが受けられる
■(参考)FREEプランで表示されるSTUDIOバナー
また、STUDIOではお問い合わせフォームの履歴を管理画面上から確認できる機能があります(プランによって制限あり)。
プラン毎にフォームで受け取れる回答数
- FREEプラン ・・・100件まで
- Starterプラン ・・・ 1,000件まで
- CMSプラン ・・・ 10,000件まで
- Businessプラン・・・10,000件まで
※通常のメール通知は無制限。
なお制限を超えて表示が制限された回答に関してもSTUDIOデータベースに内容が保存されているため、不要になった回答を削除して容量に空きを作ることで内容を確認できます。
STUDIOはこんな人におすすめ
STUDIOは以下のような人におすすめできるサイト作成サービスです。
STUDIOはこんな人におすすめ
- ホームページを簡単に作成したい人(個人事業主・小規模法人)
- WordPressのようにバージョンアップ保守管理したくない方
- デザインは得意だけれどもコーディングは苦手だという方
- できれば日本発のサービスを利用したい方
簡単にホームページが作れる一方、ページ数の大きいサイトやブログを作る予定の方や複数サイトを作る予定の方、細かいカスタマイズしたい方にはあまり向いていないかもしれません。
メリットデメリットをまとめると下記の通り。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
STUDIOの良い評判や使用して感じたメリット
ここからは、STUDIOの良い評判や使用して感じたメリットをご紹介します。
STUDIOの良い評判・口コミ
STUDIOのネット上の良い評判・口コミは下記のようなものが目立ちました。
◾️STUDIOに関する良い評判・口コミ
- ノーコードで自由にWebサイトが作れる
- Figmaのデザインをインポートするだけで簡単にWebサイトが作れる
- どんどん新しい機能が追加され便利になっている
STUDIOにはさまざまな評判・口コミがありましたが、「ノーコードなのに自由にWebサイトが作れる」といった声が多く見られました。
多少慣れが必要なもののボックスやテキスト、画像やアイコンなどを積み木のように積み上げていくことで、自分の好きなレイアウトを組んでいけます。
ブレイクポイントごとに異なる設定ができるためレスポンシブ対応もしやすく「自由に作れる」といった評判・口コミにつながったのではないかと思います。
https://twitter.com/wakana_design/status/1708823645966262608
また、「Figmaのデザインをインポートするだけで簡単にWebサイトが作れる」という声も多く見られました。
2023年8月にリリースされたばかりの新しい機能ですが、「Figma to STUDIO」と呼ばれるFigmaプラグインを利用することで、FigmaのデザインをSTUDIO上で再現できます。
【メリット】初めての方でもサイト作成・運用のハードルが低い
1つ目のメリットは、初めての方でもサイト作成・運用のハードルが低いという点です。
STUDIOでは、初心者の方向けにHTMLやCSSといったコードを書かなくても、積み木のように要素を積み上げていって楽にレイアウトが作れるようになっています。
PowerPointやAdobe Illustratorといったデザインツールのように要素をマウスでドラッグして好きな位置に配置できるものではなく、基本的には親となるボックスの中の4辺4隅、あるいは中央のどこかに配置しなくてはならないものなので少し慣れが必要です。
レンタルサーバー契約やFTPソフトの利用、HTML・CSSの作成・カスタマイズも不要なため、初心者でも簡単にウェブサイトを作成できます。
また、運用についてもWordPressのように自分でソフトウェアのバージョンアップアップをしてセキュリティ対策などもする必要がないので楽に行えます。
■(参考)デザイン作成~公開までのデモ
STUDIOのエディター画面に関しては、(PCの)Google Chromeのみ対応
STUDIOのエディター画面に関しては、(PCの)Google Chromeのみ対応しています。
ですので、普段SafariやFirefoxといったブラウザを使用されている方でSTUDIOをこれから使用してウェブサイトを作成したいと考えられている方は、Google Chromeをインストールするようにしておきましょう。
【メリット】整ったデザインのテンプレートからサイトを作成できる
2つ目のメリットは、1からサイトを作ることもできるほかテンプレートからサイトを作ることもできるという点です。
初めての人が1からデザインを作ると不格好なものになりがちですが、STUDIOでは整ったデザインのテンプレートが用意されているので非デザイナーの人でも綺麗なサイトが作れます。(2023年10月確認時点では無料テンプレート約25種類、有料テンプレート約100種類)
また、デザインはオリジナルで作りたいデザイナーであれば、白紙の状態から好きなパーツを追加していくことで1から作成することもできます。
【メリット】デバイスの大きさごとにレスポンシブ対応できる
3つ目のメリットは、デバイスの大きさごとにレスポンシブ対応させることができるという点です。
STUDIOでは以下の写真のように5つのブレイクポイントを設定することができるようになっており、スマホやタブレット、PCなどデバイス毎にサイト表示を最適化できます。
STUDIOで設定できるブレイクポイント
- ミニ ・・・ 320px~360px(初期段階では非表示になっている。)
- モバイル ・・・ 361px~690px
- タブレット ・・・ 691px~990px
- スモール ・・・ 991px~1280px(初期段階では非表示になっている。)
- 基準 ・・・ 1041px~1920px
【メリット】写真やアイコンが豊富に準備されている
4つ目のメリットは、STUDIOにはサイトに使用できる写真やアイコンが豊富に準備されているという点です。
画像はエディター画面の左側サイドバー内「Images」から追加することができ、アイコンも同じくサイドバー内「Icons」から使用することができます。
サイトに使用する画像などを別途どこからかダウンロードしてくるという手間が省けるので非常に便利です。
【メリット】Figmaのデザインをインポートして簡単にWebサイトが作成できる
5つ目のメリットは、Figmaのデザインをインポートして簡単にWebサイトが作成できるという点です。
本記事執筆時点(※2023年10月)ではまだベータ版の新機能となっていますが、STUDIOではFigmaのデザインデータをインポートしてコピー&ペーストでSTUDIOのボックスモデルに変換できるFigmaプラグイン「Figma to STUDIO」が開発されています。
参考:Figmaのデザインを、今すぐWEBサイトに。|STUDIO
実際に使用してみたところ、レイヤー数が多い場合はうまく表現されなかったり、画像やイラストが多いページの場合はインポートに時間がかかったりといった感じがありました。
しかし、シンプルなデザインであれば瞬時にある程度のところまで再現してくれるため、Webサイト作成にかかる時間をかなり短縮してくれます。
■メンバーのメールアドレスを入力してから「招待」することが可能
STUDIOの良くない評判や使用して感じたデメリット
次に、STUDIOの良くない評判や使用して感じたデメリット・注意点をご紹介します。
STUDIOの良くない評判・口コミ
次にネット上にあったSTUDIOの良くない評判や口コミをご紹介します。
◾️STUDIOの良くない評判・口コミ
- カスタマイズの幅に限界がある
- コーディングの基礎的な知識が必要な場合もある
STUDIOの良くない評判には「カスタマイズの幅に限界がある」「コーディングの基礎的な知識が必要な場合もある」という声がありました。
STUDIOでは独自のボックスモデルを使ってレイアウトを自由に組んでいけますが、実装できる機能やレイアウトに制限があるため、HTML・CSSなどコードを書いて実装していく場合に比べるとカスタマイズの幅に限界があります。
また、有料版ではコードが使える方を前提としたカスタムコード機能などがありますすが、より自由にデザインを作りたい場合はある程度はコーディングの知識が必要と言えます。
【デメリット】複数サイトを運用するときは割高になりがち
1つ目のデメリットは、複数サイトを運用するときは割高になりがちという点です。
STUDIOでは個々のウェブサイトを別々のプロジェクトで管理していくのですが、複数ドメイン(サイト)を運用したい場合はプロジェクト毎に有料プランを選択する必要があり割高になります。
1 サイト(ドメイン)ごとにプラン料金が必要ですか?
STUDIO のプランは、アカウント(ユーザー)ごとではなくプロジェクトごととなります。そのため、1つの料金プランで適用されるプロジェクトは1つのみです。もし複数のプロジェクトを独自ドメインで公開したい場合は、その数だけプロジェクトを作成・アップグレードしてください。
引用: プラン変更時の注意点
そのため、複数の独自ドメインサイトを管理したいといった方や、複数のブログ、メディアサイトを運営したいといった方はこの点注意しておきましょう。
【デメリット】ブログやオウンドメディアには向いていない
2つ目のデメリットは、ブログやオウンドメディアには向いていないという点です。
月間PV数上限・ページ数制限があるため割高になりがちです。
STUDIOではWordPressのようにダッシュボード上でコンテンツデータを入力することで定期的に更新する必要のある動的ページ(例: ブログ、ポートフォリオ)の作成ができます。
■(参考)STUDIOのダッシュボード画面
FREEプランでは公開アイテム数が100までと決められており、月間PV数も10,000PVまでと上限があります。
ブログのようにページ数が多くなる・アクセス数を増やしたい場合は、CMSプラン(※)を契約する必要が出てくるので結果として割高になります(下位有料プランのStarterプランにはCMS機能がないので注意)。
※公開アイテム数:2000記事、月間PV数上限:100,000PV
【デメリット】レンタルサーバー・WordPressと比べると機能が限定される
3つ目のデメリットは、レンタルサーバー形式・WordPressなどと比べると機能が限定されるという点です。
通常のレンタルサーバーで契約してHTML/CSSやWordPressでサイトを作る場合と比較すると、FTPでファイル操作できなかったり、.htaccessファイルが触れなかったりなど普段できる細かい制御ができないので、開発者の方にとっては機能制限を感じる方もいらっしゃると思います。
WordPressのように豊富なプラグインで機能拡張機能を追加していくといったことも現在のSTUDIOではできません。
また、STUDIOからWordPressなどに引っ越しする必要が出た際に、移設ツールのようなものがない(※)ので既存コンテンツは手動で作り直す必要があります。
※WordPressからSTUDIOへの移設では、投稿記事や投稿者、タグ、カテゴリーといったデータのインポートが可能です。詳細はこちら
そのため、初心者の方がシンプルなサイトを簡単に作りたい方には向いていますが、求める機能やサイトの規模が大きい(大きくなる予定)の方にはあまり向いていないかもしれません。
【デメリット】比較的新しいサービスなのでネット情報や書籍があまり見つからない
4つ目のデメリットは、比較的新しいサービスなのでネット検索してもSTUDIOに関する情報や書籍があまり見つからないという点です。
STUDIOは2017年4月にベータ版がリリースされた比較的新しいツールなので、現段階ではまだまだネット上でのSTUDIOに関する情報や書籍が少なめです。
現時点では「これできるかな?」とネット上や書籍などで調べても対処法等を探すのに少し苦労するかもしれません。
長い実績を持つWixやジンドゥと比較すると、運営実績や安定性を求める企業には少し向かないかもしれません。
(参考)【Wix(ウィックス)の評判】特徴やデメリット・おすすめな人を解説
(参考)【ジンドゥー(Jimdo)の評判】特徴やデメリット・おすすめな人を解説
STUDIOのマニュアルについて
STUDIOを使い始めたばかりで基本的な操作方法等が分からないといった場合は、STUDIOの公式ガイドサイトや公式YouTubeマニュアルなどがあるので、こちらを見ながら少しづつ操作に慣れていくことができます。
ただし、これらのマニュアルはどちらもステップ1~ステップ10といったように基本操作を順番にじっくりと解説しているようなものではないので、まずSTUDIOを触ってみて疑問を持った点に関してはこれらのマニュアルを利用して解決するといったような利用の仕方をされるのがおすすめです。
また、STUDIO株式会社のCEOである石井 穣(いしい ゆたか)さんのnoteでも時々STUDIOの使い方に関する情報を発信されています。
(補足)STUDIOとWordPressの違い
最後に、今回ご紹介したSTUDIOとWordPressを比較し、どちらにどういった分があるのかということを紹介したいと思います。
いくつか個人的に重要だと思った比較項目を表にしてまとめましたので、以下を参考にして下さい。
比較項目 | STUDIO | WordPress |
---|---|---|
手軽さ | 手軽に始められる | Web初心者にとっては少しややこしい |
月額サイト運営費 | 0円 ~ 5,680円(税込) (※1サイトの場合) |
1,000円 ~ 1,500円程度(税込) |
スキル | あると良いがなくてもできる | 多少は必要 |
拡張機能の有無 | 今のところ無し | 豊富にある |
テンプレート数 | 少ない | 多い |
情報の多さ | 少ない | 多い |
サイト用途 | シンプル・小規模なホームページ | ページ数の多いホームページ、ブログ |
大きな違いとしては、機能性やカスタマイズ性の高さ、月間PV数上限や公開アイテム数の有無です。
月間PV数上限を気にせず中〜大規模サイト対応したい場合は、WordPressの方が優位性がありますが、サイトの作成・運用の簡単・手軽さはSTUDIOの方が便利かなと言った印象です。
たとえば、WordPressには豊富なプラグインで必要な機能を追加することができますが、現状STUDIOにはそういったものがありません。
まとめ
まとめです。今回は最近人気のホームページ作成サービス「STUDIO(スタジオ)」の感想をご紹介しました。
結論としては、サイトを作るのが簡単ですので簡単なホームページを自作したい初心者や、デザインは得意だけれどコーディングは苦手といったウェブデザイナーさんにおすすめできるサービスです。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
今回は以上になります。最後までご覧頂き、ありがとうございました。
合わせて読みたい記事
初心者でもホームページを自作できるホームページ作成サービス「ワードプレス(WordPress)」「ペライチ(Peraichi)」「ジンドゥー(Jimdo)」「ウィックス(Wix)」の4つのサービスを下記の記事にてご紹介・比較していますので、ホームページを自作したい人は合わせてご覧いただければ幸いです。
個別指導形式のスクールでは、自分の知りたいことをピンポイントで学習・達成でき、自分で更新もできるというメリットもあります。
教室の無料事前相談もしておりますので、まずはお気軽にご登録ください。
YouTubeチャンネル開設しました!
最大月間50万PVの当ブログをベースに、Youtube動画配信にてWordPress、ホームページ作成、ブログのことについてお役立ち情報を随時配信していきます。
ご興味ある方はぜひチャンネル登録をしていただけますと幸いです。