WordPressの人気バックアッププラグインとして有名なものに「BackWPup」と「UpdraftPlus」と呼ばれるものがあります。
今回の記事では、BackWPup、UpdraftPlusの違い、それぞれのメリット・デメリットについてを解説し、それを踏まえてどういった使い分けをするのに向いているのかについても解説します。
なお、BackWPup、UpdraftPlusの使い方の詳細については以下の記事をご覧ください。
この記事を読むと分かること
- BackWPupとUpdraftPlusの違いと比較
- BackWPupの概要とメリット、デメリットについて
- UpdraftPlusの概要とメリット、デメリットについて
もくじ
BackWPupとUpdraftPlusの特徴
BackWPupとUpdraftPlusの特徴ですが、簡単にいうと、BackWPupの方がより細かい設定・完全なバックアップを習得することができます。ただし、復元はUpdraftPlsよりも少し難しいです。
一方UpDraftPlusは復元が簡単というメリットがありますが、バックアップは細かい指定ができずバックアップも重要なデータ部分のみというデメリットがあります。
■UpdraftPlus(有料版)について
Premium -UpdraftPlus
■BackWPup(有料版)について
BackWPup Pro - The perfect WordPress Backup Plugin!
BackWPupとUpdraftPlusのバックアップの違い
BackWPupとUpdraftのバックアップの違いですが、BackWPupはWordPressコアファイル(.htaccessやwp-config.phpも含む)も含めて、全ファイルをバックアップしてくれます。
一方UpdraftPlusはWordPressコアファイル類(.htaccessやwp-config.phpも含む)を除いた、データ部分をバックアップする形になります。
WordPressコアファイル類はなくても別途wordpress.orgからWordPressコアファイル類をダウンロードして利用することで復旧自体は可能ですが、やや手順が煩雑になります。
BackWPupとUpdraftPlusの復元の違い
次にBackWPupとUpdraftの復元の違いですが、BackWPupはFTPでファイルアップロードして、かつphpMyAdminなどでデータベースを復元するという形になります(少し難しい)。
一方UpDraftPlusはWordPress管理画面から1クリックで復元できるため簡単というメリットがあります。ただし前述の通り、WordPressコアファイル部分のバックアップは取得できてないので、WordPressバージョン以外の復元という形に限定されます。
UpdraftPlusで、WordPressバージョンを元に戻したり、WordPressインストーレクトリが空っぽの状態から復旧する場合はWordPress.orgからファイルをダウンロードして利用するか、別途事前にFTPでWordPressコアファイル(wp-contentフォルダ以外のファイルフォルダ類)もダウンロードしておく必要があります。
BackWPupとUpdraftPlusのメリットデメリット比較
BackWPupとUpdraftPlusのメリット・デメリットをまとめると下記の通りです。
プラグイン名 | BackWPup | UpdraftPlus |
---|---|---|
メリット |
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|
デメリット |
|
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こんな人におすすめ |
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BackWPupの特徴とメリットデメリット
BackWPupの概要
BackWPupはドイツのWordPressエージェントである「Inpsyde GmbH」が開発したもので、現在までの有効インストール数は70万インストールを超えている人気バックアッププラグインとなっています。
■公式サイト
BackWPup: The perfect WordPress Backup Plugin!
BackWPupを使用すると、WordPressのインストールディレクトリに存在する全てのフォルダ・ファイル群、及びデータベースの中身をまるっと全部バックアップしてくれます。
■(関連記事)【BackWPupの使い方】WordPress バックアッププラグイン
なおBackWPupはドイツ製のプラグインですが、バージョン3.1.3辺りから日本語対応がなされ、現在は英語が分からない方でも問題なく使用することが出来るようになっています。
BackWPupの良い点・メリット
BackWPupを使用するメリットについてをご紹介していきます。
BackWPupの良い点・メリット
- WordPressのインストールディレクトリの全てのファイルとDB(データベース)のバックアップが取れる
- バックアップが1つのファイルにまとまって保存される為、管理がしやすい
- 自動バックアップを取る日付や時間までが細かく設定出来る
WordPressのインストールディレクトリの全てのファイルとDBのバックアップが取れる
まず1つ目のメリットは、概要でも紹介したようにWordPressのインストールディレクトリの全てのファイルとDB(データベース)のバックアップが取れるという点です。
その為、サイトに関するデータ(例: テーマやプラグイン、アップロードファイル等)やデータベースのバックアップだけでなく、現在使用しているWordPressのバージョンのコアファイルや「.htaccess」、「wp-config.php」といった重要なファイルのバックアップもしっかりと取っておくことが出来ます。
バックアップが1つのファイルにまとまって保存される為、管理がしやすい
2つ目のメリットは、BackWPupで取ったバックアップは1つのファイルにまとまって保存される為、管理がしやすいという点です。
特に、何らかのトラブルが発生して管理画面上からバックアップファイルをダウンロード出来なくなったといった場合などはFTPソフトを使ってサーバー上から直接該当するバックアップファイルを探して保存するといったことをしなければならないので、バックアップファイルが綺麗に1つにまとめられているとその分探しやすいです。
なお、BackWPupで取られるバックアップファイルはデフォルトで「wp-content」→「uploads」→「backwpup-xxxxxx(ランダムな文字列)-backups」の中に格納されています。
自動バックアップを取る日付や時間までが細かく指定出来る
3つ目のメリットは、自動バックアップを取る日付や時間までを細かく指定できるという点です。
バックアップ作業を行なっている最中はサーバーに負荷がかかりサイトが重くなったり、何かしらの悪影響が及ぶ可能性がある為、極力閲覧が少ない深夜に行うよう設定できるのはありがたい点だと言えます。
ちなみに、自動バックアップを取る日付設定に関しては比較対象としているUpdraftPlus(※無料版)の場合、細かい日にち時間設定ができません。
BackWPupを使用するデメリット
次にBackWPupを使用するデメリットについてご紹介します。
BackWPupを使用するデメリット
- サイト復元にはFTPやデータベース操作をする必要がある(UpdradftPlusよりも難しい)
- 無料版ではGoogle Driveをバックアップファイルの保存先として指定できない
サイト復元にはFTPやデータベース操作をする必要がある(UpdradftPlusよりも難しい)
1つ目のデメリットは、サイト復元にはFTPやデータベース操作をする必要がある(UpdradftPlusよりも難しい)という点です。
何かエラーが起こってサイトを復元する必要が出た場合は、基本的にデータベース(MySQL)の復元とWordPressのインストールフォルダ類の復元の2つの作業をする必要があるのですが、これらの過程でFTPやphpMyAdminと呼ばれるツールを使う必要があります。
その為、作業自体はそこまで複雑なものではないのですが、これらのツールを触ったことがない方だと少しとっつきにくいと思われるのではないかなと思います。
あわせて読みたい関連記事
■【WordPress復旧手順】バックアップデータから復元・復旧する方法
そのほかの違いとして、UpdraftPlusではGoogle Driveを保存先に指定できますが、BackWPup(無料版)ではGoogle Driveをバックアップファイルの保存先として選択出来ません。
BackWPup(無料版)で選択出来る外部クラウド
- DropBox
- S3サービス(Amazon S3)
- Microsoft Azure
- Rackspace
- SugarSync
UpdraftPlusの特徴とメリットデメリット
UpdraftPlusの概要
プラグインUpdraftPlusはイギリスのWordPressディベロッパーチームである「UpdraftPlus」が開発したバックアッププラグインです。
WordPressのバックアッププラグインには様々なものがありますが、2021年8月時点の情報で有効インストール数300万以上かつレビューの数が5000以上、それでいて星5つの評価を得ているとても人気のあるプラグインです。
■公式サイト
UpdraftPlus: The world’s most trusted WordPress backup, restore and clone plugin
UpdraftPlusの大きな特徴としては、WordPressの管理画面からバックアップの取得&復元が簡単操作で行えるということです。
また、UpdraftPlusではサイトの復元に最低限必要となるデータであるテーマ、プラグイン、画像・動画ファイル及び、データベース等のバックアップを取ることが出来ます。
■(関連記事)バックアッププラグイン「UpdraftPlus」の設定方法と使い方
また、UpdraftPlusに関してもBackWPupと同様、現在は日本語対応がされています。
UpdraftPlusの良い点・メリット
それではここからはUpdraftPlusの良い点・メリットをご紹介します。
UpdraftPlusの良い点・メリット
- 設定画面がシンプルで分かりやすく簡単に使える
- WordPressの管理画面からバックアップの復元が簡単に行える
- 無料版でもGoogle Driveをバックアップ保存先に指定できる
設定画面がシンプルで分かりやすく簡単に使える
1つ目のメリットは、設定画面がシンプルで分かりやすく簡単に使えるという点です。
UpdraftPlusではWordPressのサイドバー「設定」→「UpdraftPlus バックアップ」から全ての設定を行うことが出来るようになっているのですが、バックアップの取り方や復元の仕方などもある程度感覚で出来るようなUIデザイン設計がされています。
先に紹介したBackWPupでは、バックアップを取るにはまず「ジョブ」と呼ばれるものを作成し、ジョブに対してバックアップスケジュール等の設定を行うといった手順を踏まなければならないので、使いやすさという面ではUpdraftPlusの方に分があるかなと思います。
WordPressの管理画面でバックアップから復元までが行える
2つ目のメリットは、WordPressの管理画面でバックアップから復元までが行えるという点です。
通常であればバックアップをしっかりと取っていたとしても復元するにはFTPソフトやデータベース、phpMyAdmin等の専門知識が必要になり、初心者にとってはハードルが高く難しいのですが、UpdraftPlusでは初心者でも1クリックでサイトの復元を行うことが出来ます。
ただし、管理画面に入れない場合はBackWPupのときと同様FTPソフトでサーバーに接続し、バックアップファイルをダウンロードしてからデータベース(MySQL)の復元とWordPressのインストールフォルダ類の復元の2つの作業をする必要があります。
またそのほかの違いとして、UpdraftPlusはBackWPupと比較して無料版でもGoogle Driveをバックアップの保存先に指定できるという違いもあります。
なお、UpdraftPlusの無料版では他にも以下のような外部クラウドストレージと連携してバックアップファイルの保存先として選択することが出来ます。
UpdraftPlus(無料版)で選択出来る外部クラウド
- DropBox
- Microsoft Azure
- OpenStack(Swift)
- Google Drive
- Microsoft oneDrive
などなど
UpdraftPlusを使用するデメリット
次はUpdraftPlusを使用するデメリットです。
UpdraftPlusを使用するデメリット
- サイトに関するデータのみバックアップを取ることが出来る
- 自動バックアップの時間までは指定出来ない
- バックアップファイルがバラバラに分割されて保存される
WordPressコアファイル類はバックアップが取得できない
1つ目のデメリットは、UpdraftPlusの無料版ではWordPressコアファイル類はバックアップが取得できないという点です。
なおサイトに関するデータというのは具体的には以下の5つを指します。
- テーマに関するデータ
- プラグインに関するデータ
- アップロードファイル(例: 画像、動画)に関するデータ
- その他「wp-content」ディレクトリに存在するファイル
- データベース
サイトを復元するには、これらのデータがあれば復旧可能ですが、UpdraftPlus単体ではWordPressのバージョンを元に戻すことやWordPressインストールディレクトリが空の状態から復旧するためには、別途WordPressコアファイル類をWordPress.orgなどからダウンロードしてFTPでアップロード・適用する必要があります。
また、「.htaccess」ファイルに独自に何かを書き込んでいる場合は、別途FTPソフト等を使用して手動でバックアップを取る必要があります。
自動バックアップの時間までは指定出来ない
2つ目のデメリットは、無料版のUpdraftPlusでは自動バックアップの時間までは指定出来ないという点です。
バックアップの時間を指定するメリットについてはBackWPupの3つ目のメリットのところで上述しましたが、バックアップ作業はサーバーに負荷がかかりサイトが重くなったりする恐れがある為、極力閲覧が少ない深夜に行った方がベターです。
バックアップファイルがバラバラに分割されて保存される
3つ目のデメリットは、バックアップファイルがバラバラに分割されて保存されるという点です。
上述したようにUpdraftPlusでは「テーマに関するデータ」「プラグインに関するデータ」「アップロードファイル(例: 画像、動画)に関するデータ」「その他『wp-content』ディレクトリに存在するファイル」「データベース」の5つのデータのバックアップを取ることが出来ますが、これらは全て別々のファイルで保存されます。
管理画面からサイトを復元するだけなら特にこれでも問題はないのですが、例えば管理画面にアクセス出来なくなった際はFTPソフトからバックアップをダウンロードして来なければならないので、特にバックアップを2回行っている場合は同じ日付のバックアップファイルを探してくるのがやや面倒になります。
まとめ
まとめです。今回はWordPressの人気バックアッププラグインである「BackWPup」と「UpdraftPlus」の2つの違いや、それぞれのメリット・デメリットについてをご紹介しました。
BackWPupとUpdraftPlusのメリット・デメリットは下記の通りです。
プラグイン名 | BackWPup | UpdraftPlus |
---|---|---|
メリット |
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デメリット |
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こんな人におすすめ |
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どちらも素晴らしいプラグインですので、どちらでも良いと思いますが、違いが気になった方は今回ご紹介した内容をご参考いただければ幸いです。
なお、そのほかのよく使うおすすめプラグイン一覧を「WordPressおすすめプラグインを一覧・目的別紹介」でご紹介していますので、プラグインをお探しの方はあわせてご参考いただけると幸いです。
今回は以上になります。最後までご覧いただきありがとうございました。
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