WordPressを異なるドメインに引越しする時に、非常に便利なブラグインが「All in One WP Migration(オールインワン ダブルピー マイグレーション)」です。
今回は、All in One WP Migrationの無料版を使ってWordPressを異なるドメインに引越しする手順を徹底解説していきます。
(参考)All in one MigrationでWordPressをローカルテスト環境へ引越し・移行する方法
【WordPress対応】自分でホームページ・ブログを作成したいWebスクールWEBST8
今回説明するWordPress引越し概要
今回は、All in one WP Migrationを利用して下記のような引越しを行なっていきます。
(補足)All in One WP Migrationには無料版と有料版があります。今回は無料版を使った引越し方法を説明していきますが、有料版の場合は無料版よりも手順を簡略化して引越しすることができます。
https://import.wp-migration.com/より引用
今回は、下記の8つのステップでWordPressを引越しする手順を説明していきます。
引越し元のPHPバージョンと引越し先のPHPバージョンが異なる場合は、All in one WP Migrationのインポート時にエラーが起きる場合があります。
事前にWordPressは最新版にし、引越し元と引越し先でPHPのバージョンを揃えておくことを推奨します。
本番環境への引越し作業は、実際の環境により予期せぬトラブルが起きることも少なからずあります。
本手順は特定の環境下における手順を示したものであり、個々の環境下でその他の作業が必要な場合もありますので、バックアップなどを取得の上自己責任にて実施をお願いいたします。
引越し元WordPressの作業
【ステップ1】WordPressにAll in one WP Migrationをインストールする
まずは、引越し元のWordPressにAll in one WP Migrationをインストールしていきます。
プラグイン>新規追加をします。
All in One WP Migrationで検索して、インストールします。
All in one WP Migrationを有効化します。
【ステップ2】WordPressのデータをエクスポートする
次にAll in one WP Migraitonを使って移転元のデータをエクスポートしていきます。
以前、セキュリティプラグイン「WP SiteGuard」を有効化している状態で、All in one WP Migrationで移行したところ、.htaccessの設定により管理画面にアクセスできない現象がありました。
トラブルを減らすために、WP SiteGuardを導入している場合は、一旦無効化してから下記のエクスポート操作を実施することをおすすめします。
All in one WP Migration>エクスポートを選択します。
ここでは、高度な設定をクリックします。
メディアファイルをエクスポートしないを選択。エクスポート先をクリックします。
「ファイル」を選択します。
All in One WP Migrationでデータダウンロードします。
All in One WP Migrationでエクスポートしたファイルが通常、Windows、Mac共にダウンロードフォルダに保存されます。後ほどこのファイルを後ほど移転先WordPressにアップロードしていきます。
【ステップ3】引越し元のメディアファイルをFTPでPCにダウンロードする
次に、引越し元のメディアファイルをFTPでPCにダウンロードします。
FTP(※)でサーバーにログインし、<WordPressインストール先>/wp-content/uploadsの中を開きます。
自分が契約したWebサーバーのフォルダにファイルをアップロードしたり、ダウンロードしたりするファイル転送ソフトのことです。本ブログではMac・Windowsの両方に対応しているFileZillaの説明を「無料FTPツール FileZilla の使い方 Mac・Windows対応」に説明しています。FTPソフトがない方は合わせてご参照ください。
PCにメディアフォルダ・ファイル類がダウンロードできたことを確認します。
引越し先WordPressの作業
つぎに、引越し先のWordPressを設定していきます。
【ステップ4】WordPressを事前インストールする
事前に引越し先のドメインでWordPressをインストールする必要があります。
下記はエックスサーバーの簡単インストール画面です。ご利用のレンタルサーバーに合わせて先に引越し先のドメインに対してWordPressをインストールしましょう。
WordPressをインストールします。
インストール完了後、WordPressの初期画面が表示されていることを確認します。
移転先のWordPressにログインして管理画面に入りましょう。
ここから先に進める前に、事前に引越し先サイトをSSL化しておくことをおすすめします。
サーバー側でSSL設定をした後で、WordPress>一般設定よりhttp→httpsに変更しましょう。
■エックスサーバーで指定したドメインをSSL化する設定
■WordPress側でSSL化する設定
※サーバー側でSSL化する前にWordPress側を変更するとアクセスできなくなるので、必ずサーバー側でSSL設定をした後でWordPressのURLを変更しましょう。
(関連記事)エックスサーバー 【徹底解説】エックスサーバーでWordPressにSSL(https化)を設定する方法
【ステップ5】WordPressにAll in one WP Migrationをインストールする
引越し先でWordPressをインストールしたら、引越し元と同様にAll in one WP Migrationをインストールしていきます。
プラグイン>新規追加を選択します。
All in One WP Migration をインストールします。
All in one WP Migrationを有効化します。
【ステップ6】WordPressのデータをインポートする
次に、引越し元のWordPressのデータを引越し先にインポートしていきます。
All in one WP Migration>インポートを選択します。
All in one WP Migration インポート元をクリックします。先ほど引越し元のWordPressのAll in one WP Migrationでエクスポートしたファイルをアップロードします。
無料版のAll in one WP Migrationw利用している場合の多くでは下記の容量制限の警告画面が表示されます。
(ご利用の環境によっては、上記警告が表示されずそのままアップロードできる場合もあります)
上記の警告画面が出た場合は、php側の設定でアップロードサイズの容量制限値を拡張する必要があります。
参考)How to Increase Maximum Upload File Size in WordPress
今回は、エックスサーバーで、php.iniの容量制限の拡張方法をご紹介します。
合わせて読みたい記事
各レンタルサーバーでのアップロードサイズの容量制限値の拡張方法はこちら
(補足)有料版を利用すると容量制限なく移行できます
All in one WP Migrationは今回紹介している無料版の他に、有料版「All-in-One WP Migration Unlimited Extension」があります。
php側でファイルアップロードサイズの拡張するのが面倒であったり、する場合は、有料版で面倒な手順を割愛することができます。
引用元: All in One WP Migration Unlimited Extension(https://import.wp-migration.com/ja/)
個人利用プラン | ビジネス利用プラン | |
---|---|---|
料金 | 69$ / 1回 | 69$ / 1回 + 月額29$ |
プラン内容 | 自分用のウェブサイトで使用できる、個人利用向けプラン。 | 業務用、教育、非営利、フリーランサー向けプラン。 |
使用方法は簡単で、有料版購入後に届くメールの中から、プラグインのzipファイルをダウンロードし、「プラグイン」→「新規追加」→「プラグインのアップロード」からzipファイルをアップロード、有効化するだけでOKです。
まずは以下のURLからエックスサーバーにログインしましょう。
エックスサーバーの管理画面にログインします。
ログインすると、エックスサーバーアカウントパネルが表示されるので、「サーバー管理」をクリックしてサーバーパネルに移動します。
これでサーバーパネルが表示されました。
サーバーパネルにて「php.ini設定」をクリックします。
次にphp.iniを設定するドメインを選択する画面が出てくるので、ここで該当するドメインを選択します。
php.iniファイルの設定項目が出てきます。ここでは、下記のようにphp.iniで容量制限サイズの上限値変更をします。今回は下記のように設定しましょう。
1 2 3 |
memory_limit → 512M post_max_size → 512M upload_max_filesize → 512M |
今回は例として以下のように入力して、「確認画面へ進む」から設定を保存します。
各項目の補足
- memory_limit ・・・ PHPスクリプトが利用可能なメモリの最大容量(本例では512M)
- post_max_size ・・・ POSTデータの最大サイズ(本例では512M)
- upload_max_filesize ・・・ 最大アップロード数(本例では512M)
512MBの場合 → 512M、1GBの場合 → 1Gなどに設定します。最大は2GB(2000MB)までになります。
なお、入力値は「memory_limit >= post_max_size >= upload_max_filesize」のような関係性になっている必要があります。
All in one WP Migration>インポートから、再度インポートをしてみましょう。インポート元をクリックします。
※設定がうまくいっていると最大アップロードサイズも512MBになっているはずです。
ファイルを選択し、引越し元のWordPressでエクスポートしたファイルを再度インポートをしてみましょう。
インポート中の画面が表示されます。ブラウザを閉じずに完成するまで待ちます。
All in one WP Migrationの警告が表示されます。開始ボタンをクリックします。
完成後に完了ボタンを押下します。
移転先でトップページをみてみましょう。引越し元のサイトのレイアウトになっています。ただし、現時点ではほとんどの画像が表示されていません。
続いて、【ステップ3】でダウンロードした引越し元のメディアファイル類を引越し先にアップロードしていきます。
【ステップ7】引越し元のメディアファイルをFTPでPCにアップロードする
事前にダウンロードした移転元のメディアファイル類をFTPでアップロードします。
FTP(※)でサーバーにログインし、<WordPressインストール先>/wp-content/uploadsの中を開きます。ドラッグ&ドロップでメディアファイル類をアップロードしましょう。
先ほど表示されていなくなっていた画像が表示されています。
【ステップ8】パーマリンクを設定する
最後に、パーマリンクの共通設定が「基本」に変更されて各ページのURL末尾が以前と違っている場合があります。
各固定ページや投稿のURL末尾が「?p123」のような以前とは違った文字列に変更されている場合は、元々の設定に直しておきましょう。
設定>パーマリンク設定を選択します。
もともと設定していた箇所を選択し直して保存します(どれに設定していたか忘れた方は引越し元の設定を見直してください)。
関連記事
パーマリンクについての詳しい説明は「【WordPressのパーマリンクの変更方法とおすすめ設定】」をご参照ください。
以上で、ドメイン変更を伴うWordPressの引越しは完了です。
【補足】その他環境によって必要になる細かい設定
以下はその他の細かい設定です。少し技術的な設定もありますので、該当する・わかる方だけ設定をしておきましょう。
無効化していたSiteGuardを有効化する
SiteGuardを導入していて、【ステップ2】の時にSiteGuardを無効化していた場合は、有効化しておきましょう。
有効化するとログインURLが変わるので注意しましょう。
(関連記事)セキュリティ対策プラグイン WP SiteGuard
メールアドレスに注意しよう
xxxx.net→xxxx.comに移転すると本文中やお問い合わせののメールアドレスのあっとマーク@の後ろのドメインもxxxx.comに変更されています。
本文やお問い合わせフォームなどのメールアドレスを確認して、間違っていたらメールアドレスを正しいメールアドレスに変更しましょう。
GoogleAnalyticsやSearchConsoleを変更する
GoogleAnalyticsやSearchConsoleを登録している場合は、移転先のドメインに変更しましょう。
移転元のドメインでnoindexやリダイレクト設定をかけよう
移転元のドメインはもう廃止し、移転先のドメインに恒久的に移転する場合は、移転元のドメインに対して、noindex設定や.htaccessなどで引越し先にリダイレクトの設定をしましょう。
関連転送設定プラグインRedirection
まとめ
まとめです。今回は、WordPressを異なるドメインに引越しする時に役立つプラグイン「All in One WP Migration」の無料版を使った引越し手順を解説しました。
テスト環境から本番環境へ、本番環境のデータをテスト環境へ移転したり、する場合にも便利ですのでぜひ覚えておきましょう。
なお、そのほかのよく使うおすすめプラグイン一覧を「WordPressおすすめプラグインを一覧・目的別紹介」でご紹介していますので、プラグインをお探しの方はあわせてご参考いただけると幸いです。
今回は以上になります。最後までご覧いただきありがとうございました。
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